NiziUChopstick

ワタナベ「今更自分が紹介しなくてもほとんどの人はTVとか街中で聴いたことあると思うけど、もう一生頭から離れないので紹介させてください。

ピアノ練習の定番曲をサンプリングしたトラックが最高。サンプリング元である“Chopsticks”はど頭でファとソ(全音)を同時に鳴らす響きが印象的で、楽しげなんだけどちょっと含みがあるような。初めて聴いた小学生の頃の自分にとっては、ちょっぴり特別な曲だった。

Niziuに通底する明るさと浮遊感とスパイス程度の怪しさのバランス感覚は、その当時の感覚を思い出させてくれるのです。もしかして自分のために作ってくれた?とか思っちゃう奇跡の組み合わせ(なんかめちゃくちゃ自分語りだな)」

イエナガ「こういうシンプルなループピアノが中毒性となって襲いかかってくる構図、TVアニメ『らき☆すた』で、当時ニコニコ動画あたりで大流行りした“らららコッペパン”を思い出しませんか?

Niziuの楽曲で言うと、“Make you happy”のサビで〈うーはぴはぴ〉のコーラスがブラックミュージックの雰囲気を感じさせたり、“Step and a step”ではのっけから浮遊感のある音運びがあったりと、浮遊感のある和音のアプローチが多くてクセになりますよね」

 

MO MOMA Turkey In

イエナガ「LILI LIMITの元メンバーを中心に結成された男女4人組バンド。ギターの土器大洋さん、少し前に紹介したyonigeの音源にも参加していて。その時に挙げた“催眠療法”の中でもサンプラーを駆使した編曲を土器さんが行ったそうで。本曲でもふんだんにボーカルのチョップが盛り込まれていて、センスが凄まじい。多弦ベースの地を這うような低音と、終始クールなミュート・ギターフレーズに七面鳥をじりじり焼いていくような焦燥感があって、めちゃくちゃかっこよくないですか? 個人的に『Prog-Roid』(2011年)をリリースした頃のSchool Food Punishmentを思い出したりもしました」

ワタナベ「スマホのスピーカーでは全然鳴りきらないベースがキモになっているのでイヤホンかヘッドフォンで聴いてほしい一曲。頭グチャグチャがスッキリします。サウナのBGMで聴きたいですね。藁の中の七面鳥のように、ジリジリと(いやなんだこの感想)。

しかしイエナガは本当に色んな音楽を聴くよね。自分は、作る音楽になるべくたくさんの要素を取り入れたいと思って色々聴くようにしているけど、好きで繰り返し聴く音楽の幅は極端に狹いので、どんな脳してるんだろうっていつも思ってるよ」

酒井「『Prog-Roid』大好物だし二人の七面鳥のたとえが気になって興味出ました。すごいなこの曲。そしてローCの音。めっちゃデカいスピーカーで聴きたいです」

 

メレンゲムーンライト

ワタナベ「6/8のリズムがそもそも好きすぎるっていうのはあるんですけど。いやしかし、なんて素晴らしい曲なんでしょう。もう説明いらなくないですか?……という訳にもいかないので、音楽的な側面から語っていこうかなと思うんですけど、いやでもこれ、ひたすらメロディーと歌声と歌詞が極上であるとしか言えないんですよね。

バンドサウンドをストリングスやピアノが彩る、いわゆるオーソドックスなJ-Popの作りなんですが、なんだかとても愛しい魔法がかかっているかのよう」

イエナガ「ワタナベくんがこう、2010年前後の邦ロックの名曲を紹介してくると〈あー〉と安堵してしまう私です。メレンゲって、バンドだけどJ-Popとして良いものを作る、と言う考えをメンバー全員が共有しているところが僕も大好きです。ワタナベくんの声にも共通していると思うんだけど、クボケンジさんの高音で喉がきゅっと締まるような発声に感情移入しちゃいますよね。

6/8拍子って、僕の中ではロードムービーっぽさが出ると思っていて。Salyuの“Tower”(2006年)とか、きのこ帝国の“海と花束”(2013年)あたりが頭にパッと浮かんでくるなあ……。

本筋から逸れちゃいますが、このアルバムの翌年に出ている『ミュージックシーン』に入っている“フィナーレ”って曲が大好きで僕もイエナべに持ち込もうと思ってました!」

 

次回は2022年1月頭に公開予定です! お楽しみに!

 


LIVE INFORMATION

【colormal】自主企画“C”特別編 colormal単独公演“CALL”
2022年2月19日(土)東京・渋谷TOKIOTOKYO
開場/開演:18:30/19:00
予約/当日:3,500円/4,000円(+1ドリンク400円)
★詳細はコチラ