(左から)有泉慧、ハイジ、武田啓希、ぱる、足立大輔
 

京都を拠点に活動する足立大輔(ギター)とオジマサイリ(ボーカル/CASIOトルコ温泉neco眠る、くまちゃんシール)による宅録音楽グループとして活動を開始したEMERALD FOUR。2012年にデビューアルバム『I'm so happy to see you』を全国リリースするなどして高い評価を得ていたが、2019年にオジマが脱退。足立は、カメトレ、SAKA-SAMA、innes、テンテンコなどに楽曲提供をするかたわらで、EMERALD FOURは足立のソロプロジェクトとして活動を続けていた。だが2020年、コロナ禍で行われたライブ活動をきっかけに、ぱる(ボーカル/象の背)、有泉慧(ベース/本日休演、ラブワンダーランド)、ハイジ(キーボード)、武田啓希(ドラムス)のメンバーが参加し、新たに5人のバンド形態となった。そんなEMERALD FOURが2021年12月8日にアルバム『天国から離れて』を配信リリース(CDはSECOND ROYAL RECORDSより2022年1月19日(水)リリース)。バンド初のインタビューとして、足立、ぱる、ハイジの3人に話を訊く。

EMERALD FOUR 『天国から離れて』 CRYSTAL TIGER RECORDS(2021)


バンドが楽しかったことを思い出した

――EMERALD FOURというユニットの成り立ちから教えていただけますか?

足立大輔「もともとは大学の軽音サークルの友達とバンドを始めたのがきっかけです。当初は名前が違ったんですけど、メンバーが就活などで辞めてしまって、前のボーカルのオジマサイリさんとの二人でしばらく活動をしてました。でも彼女の引越しなどもあって、年に1回ライブをするくらいの活動頻度になってしまって。実はバンドセットでライブをしたこともあって、その時に有泉(慧)さんや小池(茅/ラブワンダーランド)くんがサポートしてくれたりもしてたんですけど、サイリさんが脱退したのでしばらく活動はしていませんでした。

その前後からアイドルの方などの楽曲制作をさせて頂いてまして、そっちが楽しかったのでEMERALD FOURの活動のことはあまり考えてなかったんですけど、自分がラブワンダーランドに参加したり、バンドが楽しかったことを思い出したりして、またバンドをやりたいなと思ったんです。それで曲を作り始めたのが去年の4月くらい。ちょうど緊急事態宣言が出た頃でした。

ぱるさんはラブワンダーランドで一緒で、すごくいいシンガーだと思っていたし、有泉さんは一番付き合いが長いから良さも分かってるし。武田(啓希)くんは、有村(崚)くんというトラックメイカーがやっているin the blue shirtのバックバンドをやったことが一度あって、その時にご一緒させて頂いたのですが、今回友人に紹介してもらいました。最初のライブは、渚のベートーベンズの高木ぼらさんがギターで参加してくれたのですが、やはりキーボードの人が必要だと思い、ぱるさんに相談したらハイジさんを紹介してくれて、ようやくメンバーが揃った感じですね」

(※足立もぱるもラブワンダーランドのメンバーだったが、現在は脱退)

――ぱるさんに声をかけようと思ったきっかけは?

足立「やっぱり歌ものバンドでいいシンガーってなった時に、パッと浮かんだのがぱるさんでした。ラブワンダーランドで彼女が歌ってるのを見ていて、ボーカルっていうのは一番矢面に立つというか、度胸が必要なパートだと思うんですけど、堂々としていて華があるし、歌声も素敵で、いいなと思っていて」

ぱる「そうだったかなあ(笑)、ありがとうございます。EMERALD FOURはとても好きだったので、誘ってもらえて嬉しかったです。自分のバンド(象の背)があるから迷いはあったんですけど、送ってくれたデモ音源がとても良くて私にとっても新鮮な曲ばかりで。足立さんが選んでくれたならぜひ私が歌ってみたいという気持ちになり、参加させてもらうことにしました」

――これまで聴いてたEMERALD FOURの音源ってどんな印象でした?

2012年作『I’m So Happy To See You』収録曲“I SEE”
 

ぱる「前のボーカルの方がすごくカリスマ性があったから、それには勝てないと思っていて(笑)」

足立「それぞれに個性があるから比較はしてないけど(笑)、今の曲はぱるさんの声がしっくりきます」

――ぱるさんがハイジさんを紹介したのはなぜ?

ぱる「ハイジさんがバンドで演奏しているのを見てきて、もっとやってほしいなと思っていたし、何より単純に一緒にバンドしたいと思ってハイジさんを足立さんに紹介しました」

足立「ハイジさんのことはそれまで知らなかったんですけど、実は自分とは大学が同じで割と近いところにいた人だって後から分かってすごく嬉しかったです」

ハイジ「私は6年くらい前からバンドをしてるんですけど、一人で曲を作ったりもしていて、最近は自分の音楽や新しいことをやってみたいと思ってたんです。で、1年くらい前からギターとピアノの弾き語り活動を細々と始めてたんですけど、そんな時にぱるちゃんから声をかけてもらってめちゃくちゃ嬉しかったです。でもぱるちゃんも有泉さんも他のメンバーもミュージシャンとして尊敬していたので、初めてのスタジオは本当に緊張しました。それにEMERALD FOURは大学時代から印象に残るバンドで好きだったし、〈人生って不思議〉って思いました」

――でも足立さんの曲でキーボードって重要なパートですよね。

ハイジ「それはすごく思います(笑)。でもプレッシャーとかよりも楽しい方が勝ってるし、練習してる時間も〈めっちゃいい曲~〉って思いながらなので楽しいんですよね」

足立「ハイジさんはすごく真面目な努力家で、いつも練習頑張ってくれて本当に感謝してます」