インタビュー

ポールマー(Pallmer)『Quiet Clapping』クラシックとフォークを横断する才人デュオが語る色彩豊かなチェンバーポップ作

インディークラシック〈以降〉に応答する。カナダ発デュオの香り高い日本デビュー盤

 エミリー・ケネディ(チェロ、ヴォーカル)とマーク・クレイン(ヴィオラ)による、カナダの男女デュオ、ポールマー(Pallmer)。色彩豊かなチェンバー・ミュージックにフォーキーな歌唱。日本デビュー盤となる『Quiet Clapping』について聞く――。

 

──拠点のカナダ東部、ニューブランズウィック州フレデリクトンは冬寒そうですがどんな所でしょう?

「面白いことに、皆大雪に慣れていて、他にすることがないのか、冬により多くのコンサートに出かけます。そしてライブ演奏が皆の気持ちを高めます」

──タイトル曲“Quiet Clapping”(注:直訳では〈静かな拍手〉)の意味を教えてください。

「都会のモントリオールやトロントではなく、田舎に留まることを決意した、エミリーの経験を歌った曲です。数人の客を前にしての演奏も時にはあります。でも田舎には芸術的な実験をする余地があって、コミュニティとサポートの意識もあります」

──高度なクラシック音楽教育を受けた2人ですが、それ以外の音楽の影響はありますか。

「エミリーは多くのフォーク音楽から影響を受け、好きな歌手にジョニ・ミッチェル、ファイスト、パトリック・ワトソン、ローラ・マーリングがいます。マークは、西ミシガン大学のジャズ課程を卒業、ジャズミュージシャンと多くコラボしてきました。また2人ともエレクトロニック・インディー・バンドで演奏していました」

──ループステーションを多用していますね。

「2017年にエミリーはループステーションを使用し始めると、チェロのフレーズをループし歌を乗せ、アレンジを充実させPallmerを軌道に乗せることができました。ディレイやリバーブなど他のエフェクターも使い始めています」

──近いと言われるミニマル音楽との関連は?

  「エミリーはフィリップ・グラスをよく聴いていましたが、意図的に目指したわけではなく、短い音楽的アイデアやコード・シーケンスの繰り返しを使ったフォークやポップスの構造で曲を書き、クラシック楽器で演奏することが最初の目標でした」

──5/4のような変拍子も目立ちます。

「最初に5/4拍子で作った曲は“Allude To What”です。変拍子の演奏は、気が抜けないし思いがけないグルーヴ感があって楽しいですね」

──将来的な展望はありますか?

「自分たちの音を探求し続け、国際的なツアーをし多くの人とつながっていきたいですね」

 演奏の力量と同時代的のロック、フォークへつながる才気。〈インディークラシック〉と名付けられた流れのその先で、〈弦〉に〈うた〉を加えた芳醇な音世界が、実を結んでいる――。

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