それでも一歩踏みだす意志はここにある――自分たちのアイデンティティを掲げて荒ぶるファースト・シングル“iD”は、力強く前進する4人に新しい未来を拓く!

 〈うちらピンチの数が マジで半端ない〉とタフに吐き出す“iD”のクールな熱気が、まさに現在の彼女たちのステイタスを示すかのよう。昨年は〈ExWHYZ TOUR 2024 ‘Futura Free’〉途中の6月末にmayuが体調不良で休養し、EP『Sweet & Sour』リリース直後の8月には活動休止中だったmidorikoが脱退、10月にはnowが脱退……と、思わぬ激動の1年となりました。それでもyu-ki、maho、mikinaの3名でグループを守り、11月にはmayuが復帰して、新体制での初ツアー〈ExWHYZ TOUR 2024 ‘HOPE’〉を12月に敢行。今年に入って5月からは〈ExWHYZ TOUR 2025 ‘(unfinished) odds and ends’〉を全公演ソールドアウトで完走し、8月2日にLINE CUBE SHIBUYAで行われる3周年記念ワンマン〈Our Step→Future〉も即完して勢いに乗るなか、実に1年ぶりの新曲集となる初のシングル“iD”が完成”! 逆境から立ち上がって未来へ踏み出す強い意志を刻んだ表題曲をはじめ、強力な全4曲を収めた新作についてmayuとmahoに話を訊きました。

ExWHYZ 『iD』 ユニバーサル(2025)

 

やりたいからやるよね

――現4人体制になって半年以上が経って、グループの状態はいかがですか?

maho「メンバーそれぞれの空気感とかヴァイブスも良い感じだと思います。凄い無理してる感じもなく、1つ1つのことをやっていくなかで作り上げていくだけなんで、それをみんなシンプルに考えられていて、それを前向きにやれている、その最中っていう感じですね」

mayu「いままで体制がなかなか整わないなかでやってきたんですけど、もう本当に4人しかいない状態になったことで、改めてみんなで前を向ける感じになれてるかなって」

――今回のシングルの生産限定盤に付くBlu-rayには、mayuさんが復帰した昨年11月のYouTube Liveの模様も収録されています。4人で最初のステージでしたが、改めて4人で意志を固めるような機会はあったんでしょうか。

mayu「何て言うのかな。本当に4人になることが決まった時に、たぶんみんなが〈自分は続けたいのか、続けたくないのか〉っていう問いにぶち当たったと思うんですよ。その選択を迫られた時に、それぞれ結論に辿り着くまでの道のりは違ったかもしれないけど、全員が〈ExWHYZをやりたい〉っていう答えに自然に集まってきた感覚があったので」

――各々が考えたうえで集まってみたら、答えが一緒だったという感覚?

mayu「そうです。4人で話し合って〈じゃあ、続けていこう〉って気持ちを固めたというよりかは、一人一人が続けたいと思って集まった結果、4人になったっていう感じになれてたから、それは良かったです。〈まだ進めるな〉って」

――ちなみに、その時のmayuさんは休養中でしたが、復帰に向けて心身を整えている段階だったわけですね。

mayu「うん。もうその時点で、11月に復帰するという話は出てました」

maho「〈やりたいからやるよね〉っていう根本があったら、そこから〈じゃあ、この4人がどうなっていく〉〈どういう形になる〉とかは積み重ねのなかで見つけてくしかなくて、その根底にある、みんなExWHYZをいまやりたいっていう気持ちは確かにあるから、4人でステージに立ったので、あの時はそれだけを握り締めていったと思いますね。その先でどうなるかはその先で、ちゃんと見せていけたらいいなっていう感じでしたね、11月は」

――そのまま昨冬の〈HOPE〉ツアーがあって、5月から7月にかけての〈odds and ends〉=〈ガラクタ〉ツアーは4人で2回目の単独ツアーになりました。“iD”でも〈ただもう gotta go ガラクタだって〉と歌っていますが、どういうテーマのツアーだったんでしょう。

mayu「やっぱ、去年は暗いニュースが続いちゃったりしたけど、自分たちがやりたいって思った気持ちは本当のことだし、〈ガラクタかもしれないけどさ~〉みたいに自分たちのことをちょっと笑いつつ、〈そこからでも再起できるぞ〉っていう気持ちをタイトルに込めたって感じです」

maho「改めて4人になって、ライヴハウスで近い距離で、もう1回、確かめ合うじゃないですけど、〈ライヴを感じる〉みたいなところを4人でやりたいねっていう感じで回ってきましたね」

maho

――最初の〈HOPE〉ツアーと比べて変化を感じましたか?

maho「12月はやっぱり4人になってすぐだったのもありますし、この4人でやっていく決意を見せていくスタート地点だったので。そこから年明けて、それぞれの時間経過のなかで考えることもあって、それで良くなったというか、考えたりした効果が〈ガラクタ〉ツアーではちゃんと出た気がしますね」

mayu「私はめっちゃ正直に言うと、長く休んだ人が社会復帰するのって凄く大変なんだなって、身をもって感じています(笑)。全然仕事って甘くないし、復帰してからは現場に自分の身体を追いつかせるので精一杯みたいな状態が続いてたんですよ。でも、自分がやりたいと思ったことだし、大事にしたいと思うことだから、その時の自分なりに良い状態で行けるようにひとつひとつのことに臨んできて。で、そこから半年ぐらい経って、〈ガラクタ〉ツアーの公演ごとに自分の伸ばせる歩幅が伸びてるのを自分で感じてきたから、それは自分的には良かったし、自分がもっともっと良くなれば、みんなにもっと追いつけるんで。それが正直な気持ちですね」

maho「よく言ってるよね、〈ちょっとずつ、ちょっとだけわかってきた!〉って」

mayu「そうそう(笑)」

maho「やっぱね、がんばりたい気持ちと身体のバランスとか、そんなのは別にmayuちゃんに限らず、誰でも難しいじゃないですか。それを当たり前に一日一日過ごすごとに覚えていったりしているように感じるし、それを話してるし」

――そういう面の話も前よりするようになった感じですか?

maho「まあ、前よりはするよね。〈ちょっとわかってきた~!〉って嬉しそうに言ってたりするから、〈あっ、いいじゃん〉みたいな(笑)」

mayu「そうそう(笑)。素直に言えるようになったって感じです。〈今日は自分的にはよくできた〉〈できなかった〉〈こう思った〉も含めて、そういう日記レベルの話をメンバーに気軽にできるようになりました。もともとそういう会話があんまり得意じゃなかったんですけど、そういう話をしやすくなったのは、ありがたいなって」

――yu-kiさん、mikinaさんも含め、そういう懐の深さはある方なのかなと。

mayu「確かに、そうっすね」

maho「うん。闇雲に無理はしないっていうベースはあるよね。〈いちばん大事なのは何?〉ってちゃんとなる人たちではありますね」