鈍重な声で内省を深めるバリトン・クルーナーの3年ぶりとなる新作。今回は自身のロマンスと恋のもがきをテーマに、管弦やシタールの音色も活かしてアナログの質感や響きにこだわり、クラシック・ソウルのムードを現代的なアンビエンスとともに表現している。先行発表のポップなバラード“RATHER BE”、美麗な“TWENTIES”以外にも、裏声を交えた“KEEPER”などディープなスロウが充実。一部でレオン・トーマスも絡むが、多くが後見人のセヴン・トーマスらにギッティを加えたチームで制作され、カシミア・キャットが関わった狂おしく切ない“BLEEDING”も含めて感傷を誘いながら滋味深いR&Bを聴かせる。