英・ロンドン出身のボーカリスト、Florence Welchによるバンドの5枚目のアルバムがリリースされた。ゴシックで神秘的な世界観を創出してきた彼女だが、今作ではルネッサンス期の〈コレオマニア〉にインスパイアを受けたと述べている。どの楽曲も華やかで躍動感があり、まさに燃え尽きるまで踊り続けた人々の力強さと熱狂を感じる。なかでも“Heaven Is Here”はクラップとギターのみで歌い上げる迫力が印象的な楽曲になっている。またJack Antonoffがプロデュースに携わっており、彼女特有のダークな雰囲気とキャッチーさが共存する壮大な一枚だ。

 


4年ぶり5枚目の新作はブリーチャーズことジャック・アントノフ、グラス・アニマルズのデイブ・ベイリーらがプロデューサーとして参加し、フローレンスいわく、イギー・ポップから影響を受けた作品とのこと。これまでにはないプログレやインダストリアル・ロックの要素が感じ取れて非常に興味深いが、持ち前のポップな感覚は決して失われておらず、そのバランス感覚が絶妙。雄大で野心的な新境地の快作だ。