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いま、おっさんはどこへ行くべきか? 〈男性性〉を考える木津毅 初の著書「ニュー・ダッド―あたらしい時代のあたらしいおっさん」が刊行

いま、おっさんはどこへ行くべきか? 〈男性性〉を考える木津毅 初の著書「ニュー・ダッド―あたらしい時代のあたらしいおっさん」が刊行

木津毅の著書「ニュー・ダッド―あたらしい時代のあたらしいおっさん」が2022年8月1日(月)に刊行される。

音楽や映画、ゲームといったポップカルチャーのフィールドを中心にライター/編集者として活躍している木津毅。2017年にゲイエロティックアーティスト​田亀源五郎の著書「ゲイ・カルチャーの未来へ」を編集し、Mikikiでもたびたび執筆してもらっている木津が、初の著書「ニュー・ダッド―あたらしい時代のあたらしいおっさん」を刊行する。

テーマは、〈おっさん好きのゲイが真面目に、ときめきながら考えるこれからの「父性」「男性性」〉。〈おっさん=古いもの、いまの社会の悪しき土台を作ったもの〉とみなされ、旧来的な〈男性性〉が問題になっている現代。では、いま〈おっさん〉はどこへ行くべきなのか?

本書はそんな問題意識のもと、ゲイとして幼い頃から〈おっさん好き〉であると同時にセクシュアルマイノリティーとしてジェンダーイシューを考え続けてきた木津が、国内外のポップカルチャーをヒントに〈あたらしいおっさん=ニュー・ダッド〉たちの姿を見つめる、これまでにはなかった切り口/テイストのエッセイだ。NetflixのTVシリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」映画「20センチュリー・ウーマン」、ブルース・スプリングスティーンやボン・イヴェールらのミュージシャン、ゲーム「Detroit: Become Human」、漫画「クッキングパパ」といったカルチャーのなかのニュー・ダッドたちから、パパ系インスタグラマー、プリキュア好きの〈大きなお友だち〉といった市井のニュー・ダッドまでが論じられている。

澁谷玲子のイラストに彩られた「ニュー・ダッド」は、フェミニズムやジェンダーイシューに関心のある読者、これからの時代〈男であること〉〈父であること〉〈歳を重ねること〉に悩みはじめた男性、そしてもちろん〈おっさん好き〉の方は必読の書だとか(私のように、30代を迎えてなお迷いまくっているシスヘテロ男性にとってはマストリードだろう)。

木津毅の初の著書、言うなれば木津にとっての『For Emma, Forever Ago』(ボン・イヴェール)である「ニュー・ダッド―あたらしい時代のあたらしいおっさん」。ぜひ手に取ってほしい一冊だ。

 


BOOK INFORMATION

木津毅 『ニュー・ダッド―あたらしい時代のあたらしいおっさん』 筑摩書房(2022)

  • TOWER RECORDS ONLINEで購入

発売日:2022年8月1日(月)
イラスト:澁谷玲子
ブックデザイン:森敬太(合同会社 飛ぶ教室)
価格:1,870円(税込)
四六判並/256頁

CONTENTS
はじめに あたらしい時代にふさわしい魅力的な大人の男性とは

Section 1 キュートなダッドたち
いま、たるんだお腹が熱い(『ストレンジャー・シングス』)
呪いを断ち切る魔法は「楽しむこと」
変わりゆく「古き良きもの」(『カーマイン・ストリート・ギター』)
ときにダッドはウザくならねばならない?(『ありがとう、トニ・エルドマン』)
「男子」ノリを乗り越える(『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』)
個人的なこと① 「女の子みたいな男の子」だった僕はこうして育った

Section 2 あらゆる立場をこえて
ゲイがダッドになるのに必要なもの(『キッド――僕と彼氏はいかにして赤ちゃんを授かったか』)
マイノリティの味方をする体育会系(ベン・コーエン)
女性たちから少年が学び育つ物語(『20センチュリー・ウーマン』)
ダンディズムを引き受け、新しくする(ザ・ナショナル)
「大きなお友だち」が立派なダッドになるとき
個人的なこと② 痛みを抱える隣人と生きていくのは簡単じゃないけれど
弱さを見せることは感情の奥ゆきを知らせること(『Detroit: Become Human』)
「男らしさ」に変革をもたらす黒人スターたち(『WAVES/ウェイブス』)
日本には料理が得意なニュー・ダッドがいる(『クッキング・パパ』)
「弱さ」と向き合い、変わろうとする「強さ」(ブルース・スプリングスティーン)
個人的なこと③ ダッド好きの僕が子供っぽい彼と付き合っている理由

Section 3 成熟の先にある優しさ
「ダッド恋愛ゲーム」に男性同士のケアを学ぶ(『Dream Daddy』)
生きることを肯定するユーモアと想像力(エトガル・ケレット/ウェイン・コイン)
「男らしさ」も「男らしくなさ」も豊かに共存しうるもの(ボン・イヴェール)
個人的なこと④ バーベキュー・パーティと「多様性」
おわりに

 


PROFILE: 木津毅
ライター、編集者。「ele-king」「ユリイカ」などで音楽や映画、ゲイカルチャーを中心に執筆。「ミュージック・マガジン」にて〈LGBTQ+通信〉連載中。編書に田亀源五郎「ゲイ・カルチャーの未来へ」(ele-king books)。

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