R&Bのハードコアを突き詰めながら20年近く第一線で活動してきた漢がレーベル名をタイトルにして放つ最終作。ケイト・ブッシュ名曲をマックスウェル版に似せて再構築した“Can’t Let It Show”やトラップ調の“I Deserve”といった先行シングルに代表される重厚なスロウを、裏声を交えた逞しいヴォーカルで歌うタンクはいつものまま。花道を飾る主役のために駆けつけたゲストは、ソング・ダイナスティの相棒J・ヴァレンタインをはじめ、クリス・ブラウン、ヴィド、アレックス・アイズレー、お抱えの新鋭フェザーといった同志たちで、不変のディープな歌世界に華を添える。ブラック・タキシードとのコラボも含めた後半のクラブ・バンガーなど、これで幕引きとは思えぬアグレッシヴさにも驚く極太の快作だ。