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インタビュー

Superfriends『Night Thinkers』パワーポップシーン屈指の愛されバンドが、現代的かつサイケなサウンドに挑んだ新作を語る

パワー・ポップ・シーン屈指の愛されバンドが新境地に到達! モダンなサウンド作りとクラウトロック由来のビートを併せ持つ新作は、勇気と好奇心の産物だ!

 「もともとウィーザーみたいなバンドをやりたくてはじめたんです。ワナダイズやカーディガンズ、エッグストーン……スウェディッシュ・ポップも好きでしたね」(塩原、ヴォーカル/ギター)。

 そうした影響源に劣らぬグッド・メロディーとドライヴィンなギター・サウンドで、ギター・ポップ~パワー・ポップ・ファンから絶大な支持を得てきたSuperfriends。2005年に結成、2015年には谷健人(Turntable Films/Kent Valley)がベーシストとして加入し、寡作ではあるもののマイペースに活動を続けてきた。

 「対バンしたり、音源を聴いたりして、〈いいバンドやな〉と思っていました。パワー・ポップの要素が強く出ていたけど、それだけじゃない深みがあると感じたんです。フレーミング・リップスやウィルコといった広い意味でのUSインディーが下地にあると感じたし、なにより曲の良さには普遍的なものがあるなって」(谷、ベース)。

Superfriends 『Night Thinkers』 SECOND ROYAL(2022)

 それまでの活動の集大成的な作品となったアルバム『Superfriends』(2018年)、フォーキーかつトラッドな側面が色濃く出た6曲入りの『Songs as Letters』(2021年)に次いで到着したのが、今回のミニ・アルバム『Night Thinkers』。疾走感に溢れたギター・ポップとして資料ではファウンテインズ・オブ・ウェインの名が引き合いに出されている“Lost Holiday”、頭打ちのビートとギター・アルペジオのアンサンブルが耳を引きつける“May your heart be bright”など、今回も良曲を揃えた作品になっている。

 「〈曲が書けない〉という産みの苦しみを歌った“Lost Holiday”はコミカルなところが気に入っています。イルミナティ・ホッティーズの“Pool Hopping”という曲を聴いて、ああいう軽妙で楽しいリフっていいなと思って作ったんです」(塩原)。

 「1曲目の“Fake Flowers”は最初、フジファブリックみたいなオルタナっぽい曲をイメージしていたんだよね。でも、レコーディングを進めていくうちに自然と力を抜く方向に変っていって」(谷)。

 ソングライティングやアレンジにおいては持ち前のポップさを発揮する一方で、プロダクションはこれまで以上に整理された印象だ。その立体的な音作りには感嘆せざるをえない。

 「谷くんはミュージシャンとしての経験も豊富だし、プロデューサー的な視点を制作に持ち込んでくれるんです。僕の考えだけではたどり着かないところに、Superfriendsの音楽を引き上げてくれていますね」(塩原)。

 「簡単に言うと、今作のテーマは〈脱Superfriends〉なんですよ。音作りも最近のエレクトロニック・ミュージックを意識して、中音域の音数を少なくして、そのぶん高音と低音をしっかりと出したんです。ハイムの作品なんかは少し意識しましたね。ギターは鳴っているけれど、ギターの音がそこまで中心ではないものをめざして」(谷)。

 なかでもバンドにとって新境地と言えるのが最終曲の“Afterglow”だ。6分を超えるこの長尺曲は、塩原と谷の共作曲。さらにメイン・ヴォーカルを前田(ドラムス)と谷がとるという初の試みがなされている。打ち込みのドラムや艶やかなギター・フレーズにシンセが重なるヒプノティックなサウンドは、OGRE YOU ASSHOLEやテーム・インパラのファンにもハマりそうだ。

 「僕がなんとなく持っていたリフをベースに、バンドでセッションしてみたんです。そこで出来たデモから塩原くんと僕でお互いに曲を作ってみて、いまの形に仕上げました」(谷)。

 「谷くんはもっと長くてサイケデリックなものにしたかったみたいなんですけど、そこはSuperfriendsのサイズ感に調節して。リファレンスとして、クラウトロックを100曲くらい入れたプレイリストを作って聴き込みつつ、でも僕たちはそこを経ての90年代のオルタナ……ヨ・ラ・テンゴの感じとかがいいなとなった。アレンジの方向性ではゆらゆら帝国の“無い!!”を意識したりもして。僕はこの曲、すごく好きですね。自分ひとりでは出来なかった曲。自分の曲を〈好き〉とはなかなか言えないけれど(笑)、これは堂々と〈好きだ〉と言えます」(塩原)。

 言葉通り〈脱Superfriends〉を果たした本作を経て、3人はどこに向かうのだろう。

 「僕らに求められる音楽はパワー・ポップとかだと思うんですけど、今作はその枠にとらわれないものを作れた。今回はけっこう不安なんですよ(笑)。やりすぎちゃったかな?とか。でも我々には特に失うものがないし、バンドが〈いまはこれがいいじゃん!〉となるものを常に作っていきたいですね」(塩原)。

Superfriendsの近作。
左から、2018年作『Superfriends』、2021年のミニ・アルバム『Songs as Letters』(共にSECOND ROYAL)

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