昨年はリナ・サワヤマ“This Hell”の着想源として“Man! I Feel Like A Woman!”(99年)と共にシャナイアの名前を聞く機会もあったが、そのように〈ポップ・カントリー〉の但し書きすら要さない広がりを絶頂期の彼女は有していた。リパブリックに移籍して届けたニュー・アルバムは、私生活のあれこれや声にまつわる闘病を乗り越えて放った『Now』(2017年)に続くカムバック後の2作目。80年代風(もはや2020年代風だが)の軽快なエレポップに仕立てた先行カット“Waking Up Dreaming”の振り切り具合はアルバムでも継続。カントリーとディスコ・ポップのハイブリッド“Giddy Up!”などは往時のエネルギーを放っている。トラディショナルな良さも見せつつ、とにかく明るく自由にやろうとする姿が清々しい。