USインディーからEDMまで
そうしたバンドの意向を手助けしたのが、Evergleen Leland Studio（以下、ELS）、andropの内澤崇仁、Turntable Filmsの井上陽介、THE CHARM PARKという編曲を担ったアーティストたち。京都シーンという視点からは、2020年の“Friday”ぶりとなる井上とのタッグに注目したい。彼の十八番でもあるUSインディー～クラウトロック的なサイケデリアがバンドに他の楽曲とは異なった表情をもたらしている。
「井上さんって本当に素敵な方ですよね。“Friday”に井上さんが与えてくれた浮遊感はHakubiのひとつの武器になったし、今回の“ゆれて”を作ったときも〈これは井上さんとやりたいよね〉というのがチーム全員の共通意見でした。井上さんはイントロのアルペジオの拍子を変えてくれたり、それ以外のギターのアレンジもいろいろ考えてくれたりしました。“Friday”に続いて、自分では出せないニュアンスを加えてくれましたね」（片桐）。
「Hakubiのライヴでは、片桐の歌に自分の感情を乗せながらドラムを叩いていることが多いんですけど、この曲はあえて気持ちを入れすぎずに淡々と叩くことを意識しています」（マツイ）。
「井上さんの力添えで、〈フロム京都のオルタナ感〉を出せたなと」（ヤスカワ）。
先行シングルの“Twilight”を含む4曲には、〈はりーP〉こと針原翼を代表に、多くのボカロPや歌い手たちを擁するELSが参加。眩い電子音やリリカルな鍵盤などを施しつつ、バンドのポップさをダイナミックに増幅させている。
「“Twilight”は、RPG『メメントモリ』のキャラクター・テーマ・ソングとしても制作したので、そうした側面からエレクトロな部分を入れたいと思っていたんです。ELSの皆さんにとっては得意のサウンドですし、EDM的なドロップを上手く組み込めました」（片桐）。
「僕はアヴィーチーとかダンス・ミュージックも好きなんです。もともとHakubiでもそういう要素を出したいと思っていたし、『era』に収録した“在る日々”でもトライしてみていて。この“Twilight”はポーター・ロビンソンを参考にしました」（ヤスカワ）。
