
信頼しあうROTH BART BARONとの共同作業
――ROTH BART BARONが“Dawn Dancer”と“SORA”を提供していますが、HanaさんはROTH BART BARON『けものたちの名前』(2019年)にボーカルで参加していました。今作に収録されたシングル曲“16 – sixteen”をROTH BART BARONがプロデュースするなど彼らとは以前から交流がありますが、“Dawn Dancer”はROTH BART BARONのカラーが出た曲ですね。
「歌詞を読んだ時、〈夜のコンビニ〉〈星をのんだ〉みたいに夜のモチーフがいっぱい入っていて、〈dawn(夜明け)〉になる直前の瞬間が頭の中に浮かびました。
ロットらしい壮大なサウンドで、不安や孤独を感じながらも〈dawn〉に向かって〈dance〉する。そんな希望が湧いてくる曲だと思います」
――戦争やいろんなことで不穏な今の世の中を意識しているような曲ですね。もう一曲の“SORA”はフォーキーな曲で、きっとHanaさんがお好きなタイプの曲なんじゃないでしょうか。
「すごく好きです。三船さん(ROTH BART BARONの三船雅也)が書いた歌詞を読むと、〈空を駆け抜けてく〉という一節が“16 – sixteen”の〈飛んでいく〉〈走っていく〉というメッセージに通じるところがあって、三船さんが“16 – sixteen”の歌詞を意識して書いてくれたんじゃないかな、と思って嬉しかったです」

13歳の自分に〈希望を持った方がいい〉と歌いかける“16 – sixteen”
――“16 – sixteen”の作詞作曲はHanaさん。13歳の時に書いたそうですね。そんな頃から曲を書かれていたんですか?
「一人で部屋にいた時に、ピアノで遊んでいて思いついたメロディーなんです。曲を作ろうと思っていたわけではなく、自然に出てきたメロディーなので、それが曲になって世に出るなんて自分でも驚いています(笑)」
――遊んでいて思いついたメロディーをよく覚えていましたね。
「いいメロディーや面白いアイデアが思い浮かんだら、ボイスレコーダーに録音していたんです。
歌詞は13歳の時に少しだけ書いていたんですけど、それを書き直したり、書き加えたりしました。ひとつの曲のなかで、13歳と16歳の時の自分の視点がクロスオーバーしているんです」
――13歳のHanaさんはどんな少女でした?
「未来に不安を感じていて、ちょっとペシスミスティックでした。この曲では、16歳になった私が13歳の私に希望を持った方がいい、不安に思ったら逃げちゃえばいい、〈I wanna runaway〉って歌っているんです」
――3年で成長したんですね(笑)。三船さんはボーカリストなので歌にこだわりを持っていると思いますが、Hanaさんが歌入れをする時にアドバイスなどはありました?
「あまり何も言わずに私の歌うスタイルを尊重してくれました。私がROTH BART BARONの曲を歌う時に意識していたのは、なるべく最初のテイクで決めることでした。あまり考え込まずに、ありのままの自分を見せるようにしたかった。それが三船さんに伝わったんじゃないかと思います」
――お互い信頼しあっていたんですね。