活動初期から大貫妙子、ROTH BART BARON、高野寛など様々なアーティストとコラボレートしてきたシンガー、Hana Hopeがメジャーファーストアルバム『Between The Stars』を完成させた。ceroの髙城晶平、シャッポ、jo0jiらが参加した本作はバラエティ豊かな曲を収録。インディー時代に比べて、彼女が作詞や作曲に参加している曲が増えているのも特徴だ。

また、本作と同時に配信のみだったインディーデビューアルバム『HUES』が初めてCDでリリースされるが、そこには初期の音源を集めたボーナスCDを収録。この2枚のアルバムは1人の少女が歌で綴った成長の記録だ。

プライベートでは今秋から大学進学という人生の新たな章に入った彼女は、今どんな想いで音楽に向き合っているのか。新作を中心に話を訊いた。

Hana Hope 『Between The Stars』 ソニー(2025)

 

アルバム最大のテーマはストーリーテリング

――『Between The Stars』は2023年の『HUES』以来2年ぶりの新作アルバムです。その間、Hanaさんは高校を卒業して大学に進学を決めながらギャップイヤーを取得されたとか。そうした環境の変化は音楽活動に影響を与えていますか?

「音楽に対する向き合い方が少し変わったと思います。これまで以上に音楽について考える時間が増えて、これから自分はどういう音楽を作りたいのか。どんなキャリアを重ねて行きたいか。そういう大きな問題について考えるようになりました。最近は毎日ボイストレーニングをしているんですけど、ギターのレッスンも始めることにして今日が初日なんです」

――そこにあるギターケースはHanaさんのものだったんですね!

「これまでウクレレはやっていたんですけど、自分のパフォーマンスのレベルを上げるには、バンドの人たちと一緒に楽器を弾けるようにならないといけないと思ったんです。あと、自分で作詞や作曲をした曲は自分で楽器を弾いて歌えるようになりたくて」

――そういえば新作ではHanaさんが作詞や作曲で関わっている曲が増えていますね。曲作りで大切にしていることはありますか?

「ストーリーテリングです。音楽も感情表現も大切ですが、歌詞のストーリーテリングを通じて曲を聴いてくれる人と繋がれるし、心を動かすことができると思うんです。今回のアルバムでも一番大きなテーマはストーリーテリングでした。

今回のアルバムで一番成長できたと思うのが歌詞なんです。でも、歌詞を書くのは難しくて。“Growing Pains”という曲は、一度、英語で歌詞を書いてスタッフに読んでもらったら〈何を言いたいのかわからない〉と言われてしまいました(笑)」

――あらら(笑)。

「でも、改めて歌詞を読んで、確かにそうだな、と思いました。シンプルさとポエティックな表現。英語と日本語。その2つのいいバランスを取るのが難しい。でもこの曲を仕上げていく上で、それができた気がします。

“Growing Pains”というのは〈成長の痛み〉という意味なんです。年を重ねるなかで、ちょっと迷ってしまったり、厳しい判断をしなきゃいけない時があって、成長しなければならない時に痛みを感じることがある。きっとそれは、ほかの人も感じる痛みだと思うので、それを曲で表現したかったんです」