2022年11月3日にセカンドシングル“きみはもうひとりじゃない”をリリースし、さらに初のワンマンライブ〈Hello, I am Hana Hope. ~ Hana Hope 2nd Single Release Live ~〉を成功させた弱冠16歳の新世代シンガー、Hana Hope。2022年は、デビュー前から話題を呼んでいた彼女が正式にデビューし、めきめきと頭角を現した年だったと言っていい。今回は、そんなHana Hopeにインタビューを行った。作詞を加藤登紀子が、作編曲を江﨑文武が担当した“きみはもうひとりじゃない”とそのカップリングで自作曲の“16 - sixteen”を軸に、映画「あつい胸さわぎ」の主題歌“それでも明日は”について、そしてHana Hopeの今の思いと現在地から今後の展望までを語ってもらった。 *Mikiki編集部

Hana Hope 『きみはもうひとりじゃない』 U/M/A/A/HINTS music(2022)

 

優しさにあふれた初ワンマンライブを振り返って

──先日の初のワンマンライブ、とても暖かい雰囲気でしたよね。

「ありがとうございます。ソロになって初めて人前で歌う機会でとても緊張していたのですが、観てくださっている人たちの優しさがすごく伝わってきました」

──サポートメンバーも錚々たる顔ぶれでした。一緒に演奏してみていかがでしたか?

「まず永井聖一さんは、最初にお会いしたのが確か高橋幸宏さんの活動50周年を記念したコンサートのリハだったんですけど、すごく暖かくてあまり緊張させない雰囲気の方でよかったです。もちろんギターも素晴らしく、ご一緒させてもらったことをすごく光栄に思っています。

網守将平さんは、YMOのトリビュートライブで初めてお会いしたのですが、そのときの私は13歳で、こうして成長した姿をお見せできてよかったです(笑)。

ermhoiさん私のデビュー曲“Sentiment”を提供していただいたBlack Boboiのメンバーで、素晴らしい声を持っていらっしゃいますが、自分の声質も実はermhoiさんに近いのかなと思っていて。一緒にハモったときは、とても心地よかったです。そんな素敵なメンバーとステージに立つことができて、本当によかったなと思っています」

──ライブでは今回、坂本龍一さんのアルバム『未来派野郎』(86年)より“Ballet Mécanique”を、YMOのアルバム『BGM』(81年)より“CUE”のカバーを披露していました。Hanaさんにとって坂本龍一やYMOはどんな存在ですか?

「“CUE”は私が初めて歌ったYMOの曲なので、聴くと緊張している13歳の自分をいつも思い出します(笑)。あの頃と比べると、歌い方も少しは成長したのではないかと。

YMO“CUE”のカバー動画

“Ballet Mécanique”を最初に歌ったのは、はらかなこさんがアルバム(2022年作『Light』)の中でカバーした際にゲストで呼んでいただいたとき。レコーディングは音響ハウスで、素晴らしいピアノの演奏とともに歌わせてもらいました。その日はすごく楽しくて、いつまでも帰りたくなかった思い出がありますね」

Hana Hope & はらかなこの坂本龍一“Ballet Mécanique”のカバー動画

 

加藤登紀子、江﨑文武と作り上げた懐かしくも新しい“きみはもうひとりじゃない”

──では早速、今回のセカンドシングル『きみはもうひとりじゃない / 16 - sixteen』について訊かせてください。“きみはもうひとりじゃない”は、作詞が加藤登紀子さん、作曲が江﨑文武さんというこれまた豪華な顔ぶれですが。最初にデモを受け取ったときはどんな印象を持ちましたか?

「最初に文武さんから歌詞のないデモ音源をもらったときは、かなりシンプルなメロディーで。これがどういう形になっていくのかすごく気になっていたのですが、歌詞がついたときにものすごくバランスが良くて驚きました。トラックの素晴らしさはもちろんですが、歌詞がとにかく深くて。じっくり読みながら、1行ごとにその意味を考えていきました」

“きみはもうひとりじゃない”

──お二人と実際にお会いしているんですよね?

「はい。私のボーカルレコーディングに立ち会ってくださったのですが、加藤さんは会った瞬間にハグをしてくださって、とても安心したのを覚えています。

江﨑さんは、以前ソニー・コンピューター・サイエンス研究所のCMソング(2021年の楽曲“Obscura (feat. HANA)”)でご一緒して以来、久しぶりにお会いしたのですが、相変わらず優しい方だなと思いました」

〈Flow Machines〉のCM動画。楽曲は江﨑文武“Obscura (feat. HANA)”

──文武さんはこの曲に関する公式インタビューの中で、〈新しい時代の童謡を作りたい〉とおっしゃっていました。まさに童謡を思わせるような懐かしいメロディーだなと。

「もちろんメロディーは懐かしいのですが、トラック自体は少しモダンでカッコ良い響きを持っていて。そのコントラストがものすごく素敵だし、文武さんだからこそのクォリティーだなと思いました」

江﨑文武のインタビュー動画

──レコーディングではどんなアドバイスをお二人からもらったんでしょう。

「登紀子さんからは、〈歌として繋がりのある歌い方を大切にしてください〉とおっしゃっていただきました。それは他の曲を歌うときにも同じように大切にしなければいけないことなので、すごく貴重なレッスンを受けたと思っています。

文武さんからは、かなり細かいニュアンスまでディレクションしていただき、それをきちんと歌で表現できたのでよかったと思っています」