甘美なビッグバンドのスウィングとヒップホップのビート感、そしてもちろんメロディアスなピアノ……ロンドン・ジャズ・シーンの最前線で活躍するピアニスト/プロデューサーがアンタイからの2年ぶり2作目をリリース。ソウルフルで肉体に訴えかけるグルーヴと琴線に触れる旋律、自由なインプロヴィゼーションを融和させた完成度の高い仕上がりだ。来日公演も楽しみ!

 


50年前、フュージョン勃興期、時代の上澄みのように現れた〈牧歌ジャズ〉。今、混沌の次に来る揺らぎと安寧を内包した音楽の登場は若いジャズファンだけでなく、トム・ミッシュやジョーダン・ラカイを愛聴する世代をも巻き込んで人気を博す。〈Anti-〉第二弾の本作はさらに世界を拡げ、ソロピアノ“On My Ones”での内包的な演奏の感性の一部まで含むアルファ・ミスト時代を感じさせる完成度が高い一枚。本年6月の来日講演でその存在感を決定的にするだろう。Kaya Thomas-Dyke(ヴォーカル/ベース)、テリー・リー・キャリントンの弟子Jas Kayser(ドラムス)、南アの鬼才Bongeziwe Mabandla(ヴォーカル)ら才能豊かなメンバーへの期待が膨らむ。