衝撃の登場から10年、いまだカリスマの衰えないシンガー・ソングライターの4作目。緊張感を湛えていた前作と比較すると、今回は音に柔らかさを感じさせ、特有のバリトン・ヴォイスもどこか抑え目。エクスペリメンタルなポップ盤として、オルタナに傾倒していた90年代終盤のブラー諸作を想起させる。白眉はNYのシンガー、ラヴィーナを迎えたバラード“Seagirl”。