十代で鮮烈なデビューを飾った10年代シンガー・ソングライターの旗手も25歳。この3作目では引き続き過去作の延長線上にある音楽性を披露しつつ、何もかも詰め込んだ大作だった前作と比較してかなりコンパクトにまとめられた印象だ。抽象度の高いサウンドスケープの内側に聴き手を深く引きずり込んでいくようなヴォーカル・スタイルと闇深さを感じさせる世界観は2020年代のムードにも確かに響いていくのだろう。