映画監督、俳優、エッセイスト、雑誌編集者、デザイナー、イラストレーター……etc.と多彩な活動で知られる伊丹十三のテレビマン時代を知ることのできる一冊。著者は伊丹が参加していたテレビ番組制作会社テレビマンユニオンの創立メンバーである今野勉。本書は伊丹十三と「遠くへ行きたい」「天皇の世紀」「欧州から愛をこめて」といった名作を制作するまでにいたる二人の出会い、やがて数多くのヒット作を作り出す売れっ子映画監督になる原点となった映像制作の作業の現場を魅力的に語った一冊だ。かつてはテレビマンだった是枝裕和と著者との対談も収録され興味深い。