ファンク45コレクターとしても著名なドラマーのマルコム・カットを中心にマックス・ヴィンセフェルト(ホワイトフィールド・ブラザーズ他)ら名うてのプレイヤーが集まって……とかいう前置きナシでも、ムラトゥ・アスタツケやロイド・ミラーとの共演盤によってその名を十分に知らしめているヘリオセントリックス。鬼サイケな昨年の単独作『13 Degrees Of Reality』やガスランプ・キラーとのEPに続く展開はまたもコラボ作、しかも2タイトルがほぼ同時リリースとなった。
まず、70年代に映画監督/俳優として名を馳せたメルヴィン・ヴァン・ピーブルズとの『The Last Transmission』は、メルヴィンのフィルターを通したサン・ラー世界をバンドが具体化した(?)という即興的な彩気泥腑ファンク盤。もう一枚は、60年代からハイライフと欧米のソウル/ジャズを融和してきたナイジェリアの伝説、オーランド・ジュリウスとのアフロ漆黒大作『Jaiyede Afro』。偉人たちのヴィジョンを現代化する妖しい魔術は今回も健在……どころじゃないぜ!