Page 2 / 2 1ページ目から読む

THEE MICHELLE GUN ELEPHANT=時代を作った側のバンド

CDが最も売れていた時代。インディーズのバンドがミリオンセールスを記録するようになった時代。日本国内で本格的にロックフェスというものが始まった時代。オールスタンディングの大型ライブハウスが各地で誕生し、それに伴ってモッシュやダイブやクラウドサーフといった、欧米では普通だが日本においてはごく一部に限られていた、ライブの楽しみ方が広まった時代――。

つまり、ロックバンドという表現形態にとって、実はもっとも幸福な時代が90年代だった、だからその時期にデビューしたTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTは輝くことができた。

という説を聞いたことがあるが、それに対しては、あんまり同意できない。そんな時代に乗っかった側ではなく、そんな時代を作った側だと思うので、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTは。

98年作『ギヤ・ブルーズ』収録曲“ダニー・ゴー”

〈再結成なんてダセえことはしねえよ〉というバンドだろうな、という認識はあったが、2009年にアベフトシが亡くなった時、これで完全に再結成が封じられた、と思った。

で、寂しかった。どのみち再結成はないだろう、と、納得していたにもかかわらず。