THEE MICHELLE GUN ELEPHANTが解散してから2023年10月11日(水)に20年の節目を迎える(同日には解散ライブの模様を収めた映画「ミッシェル・ガン・エレファント“THEE MOVIE” LAST HEAVEN 031011」の上映イベントも開催)。

チバユウスケ、アベフトシ、ウエノコウジ、クハラカズユキの4人が今に続く音楽シーンに残した影響、それをここに列挙するのは野暮だろう。それでも、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTが与えた衝撃を言語化したい、そうした思いでMikikiは同コラムを企画した。

THEE MICHELLE GUN ELEPHANTとは、改めてどのようなバンドだったのか? リアルタイムでバンドを直視したライターの兵庫慎司が綴る。 *Mikiki編集部


 

90年代、最も重要なロックバンドだった

皆が、センスや、アイディアや、方法論の新しさを競い合っている中に登場した、どっぷりと伝統的で、きっぱりと前時代的で、流行にも世の動向にも無関係な存在。

モッズ/パブロック/UKオリジナルパンク直系の、なんの新しさもないサウンドフォーマット。

加えて、リズムは基本的に8ビートかシャッフルで、ハイハットを16で刻むことすらNG。ギター2本とベースはカールコードでアンプ直結、間にエフェクターやペダルをはさむことすらNG。というような、制約だらけの上で発される音。

にもかかわらず、誰よりも新しくて、誰よりも自由で、誰よりもかっこいい。ダサいところや、凡庸なところや、恥ずかしいところが、一カ所たりともない。スラッシュメタルよりもうるさくて、ハードコアパンクよりも過激で、ヒップホップよりもテクノよりも先鋭的。

そんな、出て来るはずのないものが出て来てしまった、現れるはずのないものが現れてしまったのが、アベフトシ加入後のTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTだった。80年代の日本におけるもっとも重要なロックバンドがTHE BLUE HEARTSなら、90年代はTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTである、と、自分は思っている。

98年作『ギヤ・ブルーズ』収録曲“G.W.D”

そんな破格な、規格外な存在だったので、瞬く間に日本のロックバンドのトップになったのは、当然だと思った。ただ、そんな破格な、規格外な存在だったので、メジャーからのフォースアルバム『ギヤ・ブルーズ』(98年)を頂点として(CDセールスとかじゃなくてバンドの状態としての頂点)、そこからわずか5年、アルバム4枚で解散したことにも、残念だったが、頷けた。

こんなバンドが、このままで、10年も20年も活動していけるわけがない。音楽性とか、ポリシーとか、活動の指針とかを、どこかのタイミングで変えないと無理だ。長らく延命している、他のバンドのように。