Photo by Susan Moss

PUNKSPRING 2024への出演、そして盟友Hi-STANDARDも出演する単独ツアーの開催によって、NOFXが再び注目を集めている。83年の結成以降、メロディックハードコアを代表するバンドとして活動を続けてきた彼らは、残念なことに解散を示唆しており、今回の来日公演が最後になると明言している。

反メジャーを貫き、自主レーベルのファット・レック・コーズの運営などでパンクの価値観=DIYを40年以上体現してきたNOFX。輸入盤CDより高価になりがちな国内盤はほとんどリリースしなかったものの、日本のファンと親密な関係を築き上げてきたことも特徴だ。

今回はそんなNOFXへのはなむけとして、彼らを愛するタワーレコードのスタッフたちにコメントを募った。それぞれのNOFXの思い出を楽しんでほしい。 *Mikiki編集部


 

石黒 亮(横浜ビブレ店)

NOFXとの出会いは、97年発売の『So Long And Thanks For All The Shoes』。M①“It’s My Job To Keep Punk Rock Elite”を友人の車で聴いた時の衝撃は今でも忘れられません。当時はHi-STANDARDにドはまりしていましたが、パンクロックジャンルに関してはまだまだ素人レベル。ファット・レックの事も知りませんでした。そんな中での車中での出会い(笑)。「誰これ!?」から始まり、ファット・マイクの事、レーベルの事、Hi-STANDARDがどれだけお世話になったバンドなのか、などなど知れば知るほど夢中になり、気づけば某レコードショップにコンピレーション含めた全作品を注文してました。今度は逆に自分の車で流れるのがハイスタかNOFXという……。まさに青春です。

NOFX 『So Long And Thanks For All The Shoes』 Epitaph(1997)

ライブで初めて彼らを見たのは2005年の〈Fat Wreck Chords JAPAN TOUR〉。盤にお金を使いすぎ、ライブに行けない悪循環が続いていた中、待望の初ライブ! 弾けました……。モッシュ&ダイブはもちろんの事、あんなに楽しかったライブは人生でも数えるほどかもしれない。

ストラング・アウト、ノー・ユース・フォー・ア・ネイム、ミー・ファースト・アンド・ザ・ギミー・ギミーズetc.、NOFXのおかげで様々な人生の1ページとなるバンドに出会わせてもらいました。ほんとに最高のバンドです。最後の来日なのに彼らのライブが見れないというどん底ですが、これからも一生聴き続けます! ありがとう!!

 

井原邦雄(メディア編集部)

地元(神奈川県の湘南地区)の友人たちの十八番のモノマネは、伊藤政則大先生によるジョン・サイクス(ex-シン・リジィ、ホワイト・スネイク、ブルー・マーダー)の紹介の仕方(「ハードロックカフェー」の言い方もマスト)。それらは、テレビ神奈川でオンエアされていた伊藤氏が司会の音楽番組から学生時代に体得したもので、「誰がわかるんだ、そのモノマネ」と思われようが、30年近くにわたってやり続けている親友たちには尊敬の念を禁じ得ません(ウソ)。

そんな人間を生み出してしまったテレビ神奈川は、ほかにも数々の音楽番組を放送。なかでも印象に残っているのは、90年代にオンエアされていたオルタナやパンク系などのバンドやPVを紹介していた「ビデオ星人」で、番組のオープニング曲としてNOFX(以下、ノーエフ)の“Leave It Alone”が使用されていたと記憶しています(間違ってたらすいません!)。ノーエフ史上でも屈指のキャッチーさを誇る同曲は、94年の名盤『Punk In Drublic』に収録。

NOFX 『Punk In Drublic』 Epitaph(1994)

このアルバムは、自分の周りではグリーン・デイ『Dookie』、ランシド『...And Out Come The Wolves』などと並び、全員がCDを所持していなければいけなかった一枚でした。サブスクなんて便利なものは当然ない時代なので、誰かの家でヤバいアルバムを聴いたら速攻で藤沢のCDショップ、タハラで即購入というのが定番の流れで、ノーエフだと『Heavy Petting Zoo』や『So Long And Thanks For All The Shoes』もそこで買ったと思います。

表ジャケで超ド級の下ネタを投下しておき、裏ジャケを見ると……なオチがノーエフらしい『Heavy Petting Zoo』は、さまざまなアイデアを駆使してメロコアというジャンルの拡張に成功、2曲目“Philthy Phil Philanthropist”で木琴のような音色を挟んでくるあたりはセンス良すぎ。 

NOFX 『Heavy Petting Zoo』 Epitaph(1996)

また、チョコ、バニラ、ストロベリー味のアイスクリームを食べたくなるという、やる気があるのかないのかよくわからないノーエフにしてはシンプルなジャケの『So Long And Thanks For All The Shoes』は、なんといっても1曲目“It’s My Job To Keep Punk Rock Elite”でしょ。1分20秒という短さで走り切るファストチューンで、終盤にファット・マイクが歌い叫ぶ「俺の仕事はパンクロックのエリートであり続けることだ」にノックアウトだし、あれから25年以上の時を経て、まったくその通りであり続けたノーエフのアティチュードには尊敬の念を禁じ得ません(マジ)。