©Ken Schles

GREEN DAY
30周年に楽しむ『Dookie』周辺の貴重音源

 いわゆる〈ポップ・パンク・リヴァイヴァル〉がモダンなアーティストたちによって推進されはじめて久しいなか、その後の活躍によって現代ではもはや〈ポップ・パンク〉に含まれることも少なくなっているのがグリーン・デイだ。実際に彼らの音源を改めて聴いてみると、あくまでもポップであくまでもパンクであるのは確かながら、骨太でヘヴィーなバンドとしての佇まいはいわゆる現代的な目線によるポップ・パンクというよりは〈ポップなパンク〉といった印象になる。もっとも、グリーン・デイに関してはその後の巨大化した存在感に伴うイメージ変化の結果でもあるのだろうが。

GREEN DAY 『Dookie (30th Anniversary Deluxe Edition)』 Warner/ワーナー(2023)

 で、94年にリリースされたファースト・アルバム『Dookie』の時点からそのラフながらも端正な演奏と歌声の力強さはすでにバンドに備わっている。全世界で2千万枚のセールスを記録(そのうち全米では1千万枚)したこの規格外のヒット作にして歴史的な名盤が30周年を記念してCDの限定デラックス・ボックスで登場した。Disc-1には本編をそのまま収録し、Disc-2は17曲すべてが未発表のデモ音源集(これは聴いてビックリ!)+3曲が未発表となるアウトテイク集。さらにDisc-3にはこれまでレコード・ストア・デイの限定盤としてアナログでのみリリースされていた〈ウッドストック1994〉におけるライヴ・パフォーマンスの模様がフルで収録されている(初CD化)。そしてDisc-4には94年にバルセロナのガラジェ・クラブで行われたライヴ(全17曲の未発表音源)が収録されている。トータル65曲のうち37曲が未発表音源、10曲が初CD化となる今回のセット。限定盤なのであるうちにチェックしときましょう。 *狛犬

こちらは6枚組のカラーLP盤です!