Ken Yokoyamaが〈黄金時代のパンク〉をカバー

2024年10月16日にカバーアルバム『The Golden Age Of Punk Rock』をリリースしたKen Yokoyama。この作品で彼がカバーするのは、NOFXやバッド・レリジョン、ランシドといった90年代以降の〈黄金時代のパンクロック〉界で活躍し、Ken Yokoyamaが敬愛してやまないバンドたちの楽曲の数々だ。

Ken Yokoyama 『The Golden Age Of Punk Rock』 PIZZA OF DEATH(2024)

そこで今回は、本作で取り上げられたナンバーをいくつかピックアップして紹介。新作のサブテキストとして参考にしてもらいたい。

 

NOFX、ランシド、バッド・レリジョンなどパンクキッズ感涙の選曲

Ken Yokoyamaは、これまでのキャリアのなかで10ccの“I’m Not In Love”やビーチ・ボーイズの“Kokomo”などの名曲カバーを発表してきたほか、自身が所属するバンドでは、Hi-STANDARDでベイ・シティ・ローラーズの“Saturday Night”やノーランズの“Gotta Pull Myself Together”など、BBQ CHICKENSでカバーアルバム『Fine Songs, Playing Sucks』を発表するなど、積極的にカバー曲を披露してきた。

そんな彼のKen Yokoyama名義では初のカバー集となる今作、幕開けを飾るのは2000年代にPIZZA OF DEATHから日本盤をリリースしていたこともある、スウェーデン出身サタニック・サーファーズの“Soothing”。

スウェーデンといえば、ノー・ファン・アット・オールやミレンコリンあたりも同時代に活動してシーンを盛り上げていたが、同曲はそんなスウェーデン軍団を象徴するかのようなファストチューンだ。つんのめるかの如く披露されるボーカル、景色をガラッと変える楽曲終盤の展開などは古さを感じさせず、Ken Yokoyamaのオリジナル曲と言われても納得してしまいそうになる仕上がり。カバー集では、意表を突かないド直球でパフォーマンスしている点が実直さを感じさせる。

また、新作のリード曲では恩人とも言えるNOFXの“Stickin’ In My Eye”をピックアップ。先日、41年のキャリアに終止符を打ったNOFXをこのタイミングでカバーしたことの意味を考えると聴こえ方も感慨深いものになるだろう。原曲が収録されたアルバム『White Trash, Two Heebs & A Bean』は、ほかにも名曲“Bob”などが入った初期の重要作なので、未聴の若いキッズたちはぜひチェックもらいたい。

そんな〈レジェンド〉級バンドのナンバーはほかにも、スナッフの“Too Late”やランシドの“Roots Radical”、バッド・レリジョンの“21st Century Digital Boy”といった往年のパンクキッズたち感涙の選曲が。いずれも、バンドの特色や原曲の魅力をストレートに表現したリスペクトを感じさせる内容だ。