2021年の結成以降、〈フジロック〉のROOKIE A GO-GOへの出演などで注目を集めてきた3ピースの初フル・アルバム。ただならぬオーラを持ったバンドであることは、緊迫感に満ちたグルーヴと富樫ユイ(ギター/ヴォーカル)のポエトリーリーディングが交差する冒頭“underdrive”から即座に伝わる。憂いを帯びた歌にも惹かれるし、オルタナティヴ・ロックの旨みを煮詰めた音の煽動力、その中にエモの成分が薫る点も新鮮で、“mizu ni naru”“111511”のサラッと弾いているようなアルペジオ・リフに痺れたり。あとは、8分超えの大曲“13月”に顕著な曲の展開美が素晴らしい。