88年に結成されて96年に解散、そして2015年に再結成したことを思うと、現在のライドはすでに前体制より長い期間を過ごしていることになる。もちろん各々が大人になったからこその産物ではあろうが、バンドとしてのマイペースながらも充実した活動ぶりは作品の内容からも伝わるものだろう。21年ぶりのアルバムとなった『Weather Diaries』(2017年)は全英11位を記録し、それに続く『This Is Not A Safe Place』(2019年)は全英7位を記録。もちろんそんな数字は数字だし、いまの彼らがその類の上昇志向と無縁なのは明白だが、いずれにせよ堅調なコンディションにあるバンドの充実ぶりは、このたび完成した通算7枚目のアルバム『Interplay』にも溢れている。復活後の前2作はエロル・アルカンにプロデュースを委ねたのに対し、今回はリッチー・ケネディを迎えて主にバンド所有のスタジオ=OX4で録音。幕開けの“Peace Sign”からもう眩しくて眩しくてたまらない好曲の連続で、かつての熱狂的なギターや夢心地のメロディー、陶酔的なグルーヴがプロダクションも加える形で広がりのある現代的な聴き心地に整えられている。過去最高の気持ち良さで満たされた傑作かも!