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©東映アニメーション

話題のアニメ「ガールズバンドクライ」とは何か?

 2024年4月からTV放送がスタートした完全新作オリジナルアニメ「ガールズバンドクライ」は、東映アニメーション × agehasprings × ユニバーサル ミュージックが三社合同で手掛けるメディアミックス・プロジェクト。本作の最大の特色は、劇中にてメインで描かれる5人組ガールズ・バンド〈トゲナシトゲアリ〉が現実のバンドとしても活動し、アニメとリアルが連動して展開されていくことだ。キャストは、2021年6月から約一年半にわたって開催されたオーディション〈Girl’s Rock Audition〉で数千人の応募の中から選ばれた5名のメンバー、理名(ヴォーカル)、夕莉(ギター)、美怜(ドラムス)、凪都(キーボード)、朱李(ベース)が担当。彼女たちはアニメで声優を務めると同時に、リアルバンドとして楽曲リリースやライヴ活動を展開。2023年4月に本格始動して以降、アニメの放送開始に先駆けてデビュー作“名もなき何もかも”を皮切りに5枚のシングルを送り出し、玉井健二(agehasprings)のプロデュースによる楽曲、気鋭の映像クリエイターたちが手掛けるアニメーションMVなどの相乗効果で注目を集めてきた。

 一方、TVアニメには「ラブライブ!サンシャイン!!」の酒井和男監督をはじめ、シリーズ構成に花田十輝、キャラクターデザインに手島nariなど豪華クリエイターが参加。神奈川県川崎市を舞台に、高校を中退して単身上京してきた主人公・井芹仁菜(CV:理名)が、河原木桃香(CV:夕莉)、安和すばる(CV:美怜)、海老塚智(CV:凪都)、ルパ(CV:朱李)といったメンバーたちと出会い、バンドを結成して活動していく物語が描かれている。

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 東映アニメーションの最新技術を駆使したフル3DCGアニメーションは、アニメ映画「THE FIRST SLAM DUNK」に続きキャラクターデザインのイラストをそのままアニメーション上で再現する〈イラストルック〉の技術が採用され、ハイクオリティな映像に加えて、外連味のある演出やストーリー、第1話のストリートライヴのシーンで歌われた“空の箱”といったアニメオリジナルの劇中歌などが話題に。また、各話のタイトルに邦楽ロックの有名曲――第1話は「東京ワッショイ」、第2話は「夜行性の生き物3匹」だった――が引用されるなど、音楽好きならつい反応してしまいそうなネタも随所に仕込まれており、話数が進むにつれてさらに評判が広まっていくことになりそうだ。

 TVアニメのオープニング/エンディング主題歌を担当するのは、もちろんトゲナシトゲアリ。劇中でキャラクターたちがバンドとして成長していく様子を毎話楽しみながら、リアルバンドとしてのトゲナシトゲアリがラジオ番組や各種メディアへの出演で活躍する姿を追うことができるのは少し不思議な感覚だが、どちらもチェックすることで楽曲や作品の世界にさらに没入することができるだろう。今秋にはリアルバンドとしてのセカンド・ワンマンライヴも決定しており、アニメの展開と併せて、武道館をめざす彼女たちのさらなる飛躍を期待しながら見守っていきたい。 *北野 創

 


TV INFORMATION
アニメ「ガールズバンドクライ」
毎週金曜日24:30~:TOKYO MX/サンテレビ/KBS京都/BS11にて放送中
※放送終了後25時より各種動画配信プラットフォームにて配信開始

原作・企画・製作:東映アニメーション
音楽:玉井健二(agehasprings)
劇伴音楽:田中ユウスケ(agehasprings)
シリーズ構成:花田十輝
キャラクターデザイン:手島nari
CGディレクター:鄭載薫
シリーズディレクター:酒井和男

アニメ「ガールズバンドクライ」公式サイト:https://girls-band-cry.com/