二次元以上の存在感で〈既成概念ぶち壊し系エモり散らかしロックバンド〉が登場! 圧倒的な歌唱と高い演奏力から繰り出される濃密な楽曲はきっと心に刺さるはず!
楽曲や演奏の技術で魅せる
2023年、あらゆる意味で既成概念をぶち壊す、トゲだらけの尖ったガールズ・バンドが誕生した。その名はトゲナシトゲアリ。2024年4月からTVアニメが放送されているメディアミックス作品「ガールズバンドクライ」の劇中に登場するバンドと連動して結成された、同作の声優を兼ねながら実際にバンド活動を行う5人組だ。メンバーはオーディション〈Girl’s Rock Audition〉にて数千人の応募者から選出された、理名(ヴォーカル)、夕莉(ギター)、美怜(ドラムス)、凪都(キーボード)、朱李(ベース)の5名。最年少の理名は16歳の現役高校生、最年長の夕莉も23歳。まだ若いが、全員が個人のSNSで公開していた〈歌ってみた/弾いてみた/叩いてみた〉動画をきっかけとしてオーディションに参加したという経緯からも、各々の実力の高さがうかがえる。
結成後は準備期間を経て、2023年5月に“名もなき何もかも”で音源デビュー。玉井健二プロデュースのもと、agehaspringsグループのクリエイター陣が楽曲制作を手掛けている。これまで、MVの再生回数が1,000万回を突破した人気曲“爆ぜて咲く”を含めた5枚のシングルをコンスタントにリリースしてきた。また、アニメの放送開始に先駆けた今年3月には横浜・1000 CLUBで初ワンマン・ライヴ〈薄明の序奏〉を開催し、激しくぶつかりながら互いを高め合うアンサンブルで約1,000人の観客を熱狂させた。
濃密な時間を共有してバンドとしての一体感を高めるなか、このたび届いたオリジナル・アルバム『棘アリ』にはそれらシングルからの全10曲を集大成。二次元と三次元のボーダーも飛び越えて活躍するトゲナシトゲアリならではの、ハイコンテクストなバンド・サウンドが詰まった一枚になっている。
夕莉「ヴォーカルを含め、どのパートもめちゃくちゃ難しく、それらをぶつけ合うことですごく密度が濃くて疾走感のある楽曲になるところが、このバンドの特徴です。赤い公園の、〈ガールズ・バンドだけど女の子らしさをアピールする感じ〉ではない、〈楽曲や演奏の技術力で魅せるところ〉が私は大好きなんですが、トゲトゲにもそういった雰囲気を感じています」
凪都「私はブレイクがかっこいい曲が好きで、サビ前にフィルやキメが入ったり、途中で変拍子が挟まったりするような展開に惹かれるんですが、トゲトゲの楽曲はそれのオンパレードで(笑)。活動初期は〈5つの音がぶつかり合うだけ〉という感じだったのが、練習を重ねるなかでだんだんひとつのものになってきて、最近は新しい曲を初めて合わせる時もキメの部分がバチッと合うようになってきました」
理名「バンド練習は週2~3回で1回5時間、それを一年間、いまもずっと続けています。私はもともとボカロが好きで、SNSに歌をアップしていたときもボカロの曲ばかり歌っていたので、トゲトゲの〈言葉が詰まっていてテンポの速い楽曲〉は歌っていて楽しいし、自分の趣味的にもどストライクです(笑)」
朱李「ベースはあまり目立たないことが多いですが、トゲトゲの曲はそれぞれのパートにスポットを当ててくれていて、“極私的極彩色アンサー”のような、ベースがすごく激しい曲もあるので、ベーシストとしてもすごくありがたいです。しかも5弦ベースを使わないと弾けない曲が多いんです」
美怜「どの曲にも共通してトゲトゲの世界観があるんですが、それもありつつ楽曲によって雰囲気がガラリと変わるので、ずっと聴いていても飽きないバンドだと思います」