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©Harry Langdon

PEOPLE TREE
耳で聴いたピープル・トゥリー

GIORGIO MORODER 『Forever Dancing』 Virgin(1992)

ドナのポテンシャルを見い出した盟友で、栄光の70年代を共に築き上げることになったミュンヘン・ディスコの巨匠。カサブランカ時代の作品を丸ごと手掛けた後、ドナと離れた80年代は映画音楽の世界で大成功を収めたが、こちらのダンス・アルバム盤に収録の“Carry On”で久々にドナと再会。没後のリミックス集『Love To Love You Donna』にも参加した。

 

MICHAEL JACKSON 『Thriller』 Epic(1982)

『Donna Summer』と前後してクインシー・ジョーンズが取り組んでいたのがこちらのモンスター・アルバム。ロッド・テンパートンら参加メンツも含めて楽曲構成や音作りは相当に重なる部分があり、コーラスに参加したマイケルがヒントにした部分もあるのかも? なお、ジャネットは2作目『Dream Street』のプロデュースにモロダー&ベロッテを起用していた。

 

MADONNA 『Finally Enough Love』 Rhino(2022)

ブロンディ × ドナ・サマー的なサウンド&イメージで登場し、ダンス・ミュージックを通じて新たな表現を切り拓いてきた彼女は、その後のレディ・ガガにも繋がる意味で直系のフォロワーと言えるだろう。先人への敬意を表した『Confessions On A Dance Floor』発表後の〈The Confessions Tour〉では自身の“Future Lovers”に“I Feel Love”を混ぜ込んでパフォーマンスしていた。

 

NEW ORDER 『Power, Corruption & Lies』 Factory/Rhino(1983)

ポップスターやダンス・ディーヴァの系譜とは違う流れからドナの影響を後世に伝えている筆頭格は、やはりダンス・ミュージックを取り込んで進化してきたこの世代のアーティスト。ペット・ショップ・ボーイズもそうだが、ニュー・オーダーは“Blue Monday”にて“Our Love”を明らかに借用してあのビートの駆動輪を生み出した。

 

岩崎宏美 『パンドラの小箱』 ビクター(1978)

歌唱力も含めた日本におけるドナ感の体現者といえば筒美京平と組んでいた頃の彼女になるか。その代表曲“シンデレラ・ハネムーン”はトレンドのミュンヘン・ディスコを導入した楽曲で、“Once Upon A Time”を意識した作りは当時の筒美ならでは。岩崎がステージでもドナ曲を披露していた様子はライヴ盤でも確認できる。

 

BEYONCÉ 『RENAISSANCE』 Parkwood/Columbia/ソニー(2022)

ソロ初作の“Naughty Girl”で“Love To Love You Baby”のムードをそのまま取り込んだビヨンセ。時を経て、ダンス・ミュージックに敬意を表したこちらのアルバムでは“Summer Renaissance”にて“I Feel Love”を大胆に引用している。なお、ドナ愛の強いケリー・ローランドはドナの〈ロックの殿堂〉入りに際して紹介人を務めた。

 

アレックス・ゴファーによる“Super Disco”の頃から、その後のDJメディやジャスティスに至るまでドナ曲のグルーヴ引用が目立っているフレンチ・ハウス~エレクトロ勢。なかでも鮮烈だったのは“Cassius 1999 (Radio Edit)”で、ドナの“(If It) Hurts Just A Little”をループした洒脱なディスコ感覚が実にいい感じだ。

 

BRUCE SUDANO 『Talkin’ Ugly Truth, Tellin’ Pretty Lies』 Purple Heart(2024)

ブルックリン・ドリームズを率いたシンガー/ソングライターで、その時代に共演したドナと結婚。以降は妻を多様な形でサポートしつつ、ジャーメイン&マイケル・ジャクソンの“Tell Me I’m Not Dreamin’ (Too Good To Be True)”を書くなど裏方としても活躍した。愛妻の死後もマイペースに音楽制作を続けていて、先日はこちらの渋みに溢れたソロ・アルバムをリリースしたばかり!

 

BRONSKI BEAT 『The Age Of Consent』 London(1984)

クラウス・ノミのカヴァーやニュー・オーダーの借用、テクノ・グルーヴスの“I Feel Rave”まで、ニューウェイヴ時代からレイヴ以降まで後進を掻き立ててやまないドナの名曲たち。サウンド面でもモロダー以降となるこのブリクストンのユニットはメドレーで“I Feel Love”を披露。後にマーク・アーモンドを交えた再演も発表していた。

 

JOHNNYSWIM 『Moonlight』 BMG(2019)

ドナの3人の娘のうち、音楽活動を選んだのは三女のアマンダだ(“Carry On”にキッズ・ヴォーカルで参加していた)。こちらは彼女と教会で出会ったアブナー・ラミレスがナッシュヴィルで組んだデュオで、結成後に結婚。カントリーやブルースの要素を含んだソウルフルな音楽性を聴かせる。母とは異なるハスキーな歌唱も魅力的だ。

 

KYLIE MINOGUE 『Infinite Disco』 Darenote/BMG(2022)

ディスコで踊るならアイコンの影響は避けられない。PWL時代のニアミスはもちろん、ニュー・オーダーとのマッシュアップ発表やジョルジオ・モロダーとのコラボなどドナの周辺で動いてきた(?)彼女だが、こちらに収録の“Slow (Infinite Disco Studio Version)”では“Love To Love You Baby”を引用して敬意を見せる。

 

DJ DONNA SUMMER 『Panther Tracks』 Cock Rock Disco(2008)

オリジナルがデカすぎるアイコンだからこそ、この手の冗談のような名前も成立するのだ。複数の名義でリリースしていたNYの電子音楽家、ジェイソン・フォレストの変名のひとつで、内容そのものは特に本家と関係ナシ! 悪趣味カルチャーのノリを残した暴力的なブレイクコアが楽しめる。