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シルヴァー・コンヴェンションにも参加したLA出身の歌姫がモロダー主宰のオアシスから出した初アルバム。シーケンス・ベースがウネる表題曲や前年に7インチが出た“Love Power”など、モロダー流ディスコ連発の内容はドナ・サマーと対を成すもの。天真爛漫な歌い方だが、ゴスペル出身者らしい力強さも見せる。 *林
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フィリーの歌姫トリオが欧州に拠点を移し、アリオラから放った第1弾。前半はハイエナジーの先駆け的な大胆なディスコ組曲で、お色気ハーモニーはそのままに、かつてのMFSBサウンドに過剰な装飾を施したようなモロダー製ダンス・グルーヴに乗ってグイグイと歌っていく。“The Runner”などがUKでヒット。 *林
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ソー・バルダーソンとトム・モウルトンの共同プロデュース(曲はベロッテも共作)したプロジェクト作は、ミュンヘンとサルソウルのグルーヴを織り合わせた。録音はモロダーのミュージック・ランド(とシグマ)で行われ、“I Love New York”など壮麗で優雅な越境ディスコ・サウンドが大都会の賑わいを賛美する。 *出嶌
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ドナ・サマー“Bad Girls”を共作したイタリア系の白人ヴォーカル・トリオ。モロダー一派のボブ・エスティが制作した2作目で、ソウルフルな歌声を活かしたメロウ曲などを聴かせるが、話題はドナ版とリード・パートを入れ替えたアップ“Heaven Knows”だろう。メンバーのブルース・スダーノはドナの旦那に。 *林
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アリオラでの第2弾。モロダーと彼の右腕ハロルド・フォルターメイヤーが制作した内容に以前の面影はほぼなく、完全にモロダー流テクノ~ロック調ディスコに染まりきっている。EW&F風のバラードやキャロル・ダグラス版で有名な“My Simple Heart”も登場。彼女たちにとっては後のPWL作品への布石となった一枚、か。 *林
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モロダー×スリー・ディグリーズの成果に倣ってか、サルソウルを代表するトリオも本作(の一部)でミュージック・ランド録音に挑戦。ソー・バルダーソンを中心にミューニック・マシーンの構成員が援護し、メドレー仕立てのアナログA面部分ではフィリー・ダンサーからミュンヘン流儀へと怒濤の大西洋横断! *出嶌
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ジャクソン家の末娘が18歳で出した2作目は、5曲をモロダーとピート・ベロッテが制作。表題曲などでのベースラインや電子音にモロダー流儀は窺えるも、ジャネットの可憐な声を押し出すべく音使いは控えめ。クリフ・リチャードとデュエットした“Two To The Power Of Love”の真っ当なバラードが新鮮だ。 *林
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表題曲の大ヒットやジェイ・グレイドン参加で知られる5人デバージの終作。バニーとエルの歌う“Single Heart”はモロダー制作で、映画「D.C.キャブ」(83年)のサントラが初出となるソフトな出来だ。シャラマーやピーボ・ブライソン、ステファニー・ミルズらがモロダーと組んだ同サントラも復刻してほしい……。 *出嶌
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〈白きソウルの女王〉のもっともロック色の強いアルバムで、リイシュー時に追加されたのが同時期の録音となるモロダー制作の“Lead Me On”。映画「トップ・ガン」のサントラ曲だったこれはMJの“Beat It”をユーロビート化したようなハードなダンス・ポップで、日本では網浜直子のカヴァーでもお馴染みだろう。 *林