結成15周年を迎え、通算10作目の記念作となる現在ジャズシーン屈指のピアノトリオの最新作。いかんせん前作のノン・ジャズ作品のストラヴィンスキーの『火の鳥』のカヴァーアルバムが海外での評価が非常に高い中でリリースされる記念碑的新作だけあって、全9曲オリジナルで現在のバッド・プラスの音楽性を濃縮した楽曲が収録されている。メンバーそれぞれ、なかでもピアノのイーサン・アイヴァーソンの近年のソロ活動が様々な形でフィードバックされ、より多彩なピアニズムを味あわせてくれる。“アヴァンギャルドでありながらも、ポピュラーであること”をモットーとし研磨を続ける3人組、ますます今後が楽しみ。