
SIGUE SIGUE SPUTNIK ELECTRONIC
ロックンロール史きってのキワモノはなぜかくも最高なのか――掟ポルシェがその愛と思い出を綴る!
いかがわしさを煮詰めてエナジードリンク色に光り輝く世界最高峰のスコポコ電子ロックンロール、それがジグ・ジグ・スパトニック(以下SSS)。86年にデビュー、ファースト・アルバム『Flaunt It』では、エルヴィス・プレスリーとスーサイドを合体させてSF版ニューヨーク・ドールズを現出させようというマッド・サイエンスな音楽改造手術に見事成功。ロックンロールの正解を軽快な電子音でコーティングした唯一無二のジグジグ・サウンドは、世界中のキワモノ好きのハート直撃。宇宙ステーション併設のパンク・ショップで購入したような目に痛いエナメル・カラーのファッションも含め、近未来すぎて溜息しか出ず、故に最高としか言えない。時代を超えて熱狂的支持を集めるバンドであり、俺も好きすぎて2002年の初来日公演を企画・対バンしたり、ヴォーカリストのマーティン・ディグヴィルを彼のたっての希望により新宿2丁目に連れて行って、なぜか俺が高速ベロキッスされたりと、よくわからないことになった程度には関わりが深い(半年前にインタヴューしたら「対バン? キッス? ウイスキーしこたま飲んでて覚えてないわねえ」とのこと)。
幾度かの解散&再結成+分裂を経ていまも現役続行中の局地的レジェンド、SSSだが、現在のオリジナル・メンバーはマーティンのみ。彼と同性婚した旦那のヨハン・ワイデマンの二人を中心とした素敵すぎるユニットになり、バンド名もジグ・ジグ・スパトニック・エレクトロニック(以下SSSE)へと変更。2023年11月に奇跡の再来日ツアーを行ったのは記憶に新しい。
〈もっとジグジグさせてよ!〉というリスナーからの熱いラヴコールに応えるべく、昨年の日本公演向けに制作された12インチ・アナログ盤がついに一般流通。レーベルメイトであるtokyo honey trapの楽曲をジグジグ節でリミックスしたエレクトロ・ヴァージョンとオリジナルをカップリングしている。外連味満載のジグジグ・アレンジで蜜 nclarenの声を電子レンジに突っ込んだようにブワッとさせたりとやりたい放題追加サーヴィス。実は10年ほど前からSSSEの来日を実現させるべく交渉を行っていたtetsu氏が、2016年に大病を患ったマーティンの手術代をサポートするためにリミックスを依頼、一肌脱いだという泣かせる制作背景を噛み締めながらお聴きください! *掟ポルシェ
ジグ・ジグ・スパトニックの86年作『Flaunt It』(Parlophone)
