各地のライヴハウスで熱狂を巻き起こす、東大阪の3ピースのメジャー初フル・アルバム。一丸となって突進するフレッシュな勢いに加え、間奏や後奏で聴けるリズムやフレーズによる白熱したセッションが実にスリリングで、バンドの醍醐味や魅力の本質を感じた。サウンドの定型化とも無縁で、パンクや90sオルタナ、レイドバックした裏打ちチューンなど、多様な曲調をごく自然に鳴らしている。思うようにならないビターな心情をダブルミーニングや押韻を駆使して綴った詞は、その奥深さや響きに独創性がある。蒼さとひたむきな熱を放つこの歌は、新たな世代を代弁する〈声〉にもなりそうだ。