2024年8⽉17⽇(⼟)、18日(⽇)に東京・大阪で開催される〈SUMMER SONIC 2024〉に初出演するレイヴェイ。2023年にリリースした最新アルバム『Bewitched』のデラックス盤『Bewitched: The Goddess Edition』を今年7月に発表したばかりのレイヴェイだが、彼女が現地時間8月7日に行った米ハリウッド・ボウル公演のライブレポートが到着した。 *Mikiki編集部


 

〈魔法にかかったような〉至福のライブ

「ハリウッド・ボウルがソールドアウトになるなんて、私の夢を叶えてくれてありがとう」と、SUMMER SONIC開催直前の8月7日、1万7,000人を集めたLAのライブでレイヴェイが語っていた。

2023年に発表したセカンドアルバム『Bewitched』は史上最年少となる24歳でグラミー賞のトラディショナルポップボーカルアルバム部門を受賞し、TikTokについてはデビュー前の2021年に開始して以来、現在までになんと600万人以上ものフォロワーを獲得している。

Instagramも410万人以上がフォローしているレイヴェイは、〈Z世代に向けて最新ジャズポップを再定義した〉とも、〈TikTokでジャズにセンセーションを起こした〉とも評価され、早くからビリー・アイリッシュらも称賛。すでにノラ・ジョーンズやビーバドゥービーなどともコラボ済みで、今最も高く評価され、急激な勢いで人気を獲得している新世代アーティストだ。

会場であるハリウッド・ボウルには、歌詞を一字一句大合唱する20代女性(〈Lauvers〉と呼ばれている)から、ワインをのんびり飲みながら聴く老夫婦までいて、まさに彼女の音楽性を象徴するような幅広い世代のファンが集結。セカンドアルバムのタイトル通り、〈魔法にかかったような〉至福のライブとなった。

この日のライブは2部構成で、第1部ではギター、ベース、ドラム、キーボードと、レイヴェイのバンドメンバーと弦楽四重奏との共演が繰り広げられた。第2部では、ロサンゼルス・フィルハーモニックとの共演というあまりに豪華な内容が披露された。

クラッシック一家に育った彼女は、2歳のときにバイオリン、4歳のときにピアノ、チェロを8歳から演奏。この日のライブでも、「自分はチェロオタク」と言っていたけど、1曲目の“Above The Chinese Restaurant”ではチェロを弾いたかと思えば、次の“Street By Street”ではエレキギターに持ち変えていた。

クラッシック音楽を基本にする彼女の豊かな才能も堪能でき、しかもその歌声はエラ・フィッツジェラルドやビリー・ホリデイに憧れてジャズに夢中になったと言うだけあり、深く優しい、そして甘くノスタルジックな印象だ。

 

私独自のジャンルを作りたい

彼女の魅力は、クラシック、ジャズ、ボサノバ、さらにはグレイト・アメリカン・ソングブックなど古き良き時代を新世代に紹介するだけではない。彼女自身も言っていたけど、「サウンド的に私の作る曲は、ジャズやクラシックなど伝統的な音楽に影響を受けているけど、歌詞においてはすごく現代的」という部分が大事なのだ。

「私は21世紀を生きている女の子だから」と言っていたように、歌詞の面で最も影響を受けたというテイラー・スウィフト、またはミツキやオリヴィア・ロドリゴなど今を代表する女性アーティストたちと重なる部分があるのがレイヴェイの魅力でもある。例えば、ファーストシングルの“Street By Street”を披露する際には、「この曲を書いたのは、男の子にふられたから。でも、振り返ってみればちょっと過剰に反応してしまったと思う(笑)」と語っていたと通り、等身大の女性の赤裸々な心境が彼女の歌のは映し出されている。

また、「ソーシャルメディアで語りかけるのと同じように歌詞を書く」とも言っていたけど、それこそがZ世代が彼女に共感する理由だと思う。曲によってはオンラインデートを嘆いたり、”Let You Break My Heart Again”については「若い時の盲目な恋についての曲で、古いハリウッド映画のサウンドに影響された曲」とも説明していた。

最後に演奏された“From The Start”は、好きになった男の子を地下鉄でスパイすることについて軽快に歌った曲だ。「純粋なクラッシックを追求したいわけでも、純粋なポップを追求したいわけでもなくて、その両方の世界を合わせて私独自のジャンルを作りたい」とも言っていた。この日のライブではその全てが開花し、この先の無限大の可能性を見せつけてくれた。

ちなみに、ライブ後半のオーケストラとの共演では、巨大なリボンが付いた超ガーリーなピンクのドレスを着て登場したレイヴェイ。女性誌も注目する彼女のファッションは双子のジュニアがプロデュースしているのだけど、この日はリボンに白いタイツ、フラットシューズを履いた〈Laufeycore〉と呼ばれるファッションに身を包んだ女子たちがたくさん集まっていた。

ライブの最後には花火が盛大に上がり、まるでディズニー映画のハッピーエンドを体験したかのような、ドリーミーな一夜が終わった。

 


LIVE INFORMATION
SUMMER SONIC 2024

2024年8⽉17⽇(⼟)、18日(⽇)
■東京会場
会場:ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ
開場/開演:9:00/11:00

主催:サマーソニック事務局
企画・制作・招聘:クリエイティブマン

■⼤阪会場
会場:万博記念公園
開場/開演:10:00/11:00

主催:サマーソニック事務局
共催:万博記念公園マネジメント・パートナーズ
企画・制作・招聘:クリエイティブマン/キョードー関⻄

SUMMER SONIC 2024 公式サイト:https://www.summersonic.com/

 

RELEASE INFORMATION

LAUFEY 『Bewitched: The Goddess Edition』 Laufey/AWAL/ソニー(2024)

リリース日:2024年7月3日(水)
品番:SICX-30201
価格:2,970円(税込)

TRACKLIST
1. Dreamer
2. Second Best
3. Haunted
4. Must Be Love
5. While You Were Sleeping
6. Lovesick
7. California And Me feat. Philharmonia Orchestra
8. Nocturne (Interlude)
9. Promise
10. From The Start
11. Misty
12. Serendipity
13. Letter To My 13 Year Old Self
14. Bewitched
15. Bored
16. Trouble
17.  It Could Happen To You
18. Goddess
19. Goddess (Live From Home)
20. Bored (Live From Home)
21. Trouble (Live From Home)
22. It Could Happen To You (Live From Home)
23. From The Start (Live From Home)
*日本盤ボーナス・トラック