Eveの『Under Blue』のリリースを記念して、タワーレコードではフリーマガジン「TOWER PLUS+ Eve 特別号」を発行! ここでは中面に掲載されたレビューを掲載いたします。「TOWER PLUS+」はタワーレコード全店にて配布中です!※ *TOWER PLUS+編集部
Eveが2年8ヶ月ぶりのアルバムでメジャー4枚目となる『Under Blue』をリリースした。異なる世界観をもったタイアップ曲を多く収録しているが、それらをどのようにしてアルバムという形態にまとめているのか、楽曲や音楽性を紐解きながら迫ってみた。
ネットから世界へ、Eveの進化を振り返る
Eveからニューアルバム『Under Blue』が届けられた。前作『廻人』以来、約2年8ヶ月ぶりのオリジナルアルバムとなる本作には、いまやアジアを代表するアーティストとなったEveの新たな進化がダイレクトに反映された作品となった。
まずはこれまでのキャリアを振りかえっておきたい。2010年代初めからインターネットシーンで頭角を現した後、2019年にアルバム『おとぎ』でメジャーデビュー。翌年12月にTVアニメ「呪術廻戦」第1クールOPテーマ“廻廻奇譚”を含むEP『廻廻奇譚/蒼のワルツ』が大ヒットを記録。“廻廻奇譚”はストリーミング再生7.7億回、MV再生3.8億回を記録し、世界的なヒットとなった。
ライブ活動も積極的に行い、2022年8月にアルバム『廻人』を引っ提げた全国ツアー〈Eve Live Tour2022 廻人〉の追加公演を日本武道館(2 days)で開催。2024年5月には初のアジアツアー〈Eve Asia Tour 2024 Culture〉をアジア6都市、横浜BUNTAIで行い、8月には有明アリーナ、10月には韓国のKOREA UNIV. TIGER DOMEを成功させた。
独創的にして鋭利なサウンドメイク、そして、斬新な物語性と深いメッセージを併せ持った歌詞。2000年代以降の邦ロック、ボーカロイドなどの潮流をさらに発展させ、独自の音楽世界を描き出すEveの存在は、今や全世界の音楽ファンを魅了していると言っていい。
映像作品との化学反応で発展させてきた創造性
アルバム『廻人』以降も、精力的なクリエイションを続けてきたEve。アニメーションや映画の楽曲も数多く手がけきた。“ファイトソング”(TVアニメ「チェンソーマン」第12話EDテーマ)をはじめ、“Bubble feat. Uta”(映画「バブル」OPテーマ)、“白雪”(映画「ブラックナイトパレード」主題歌)、“ぼくらの”(TVアニメ「僕のヒーローアカデミア」6期第2クールOPテーマ)、“虎狼来”(〈ギャツビー メタラバーシリーズ〉プロモーションタイアップソング)、“冒険録”(スマートフォン向けゲーム「アスタータタリクス」OPテーマ)、“花嵐”(ブルボン〈アルフォート〉CMソング)、“インソムニア”(「映画 マイホームヒーロー」主題歌)、“巻物語”(コロコロコミック555号記念PVテーマソング)、そして、10月4日に配信リリースされた“ティーンエイジブルー”(TVアニメ「アオのハコ」EDテーマ)。映像作品との有機的なケミストリーを重ねるなかでEveは、さらなるポピュラリティと刺激的なクリエイティビティを獲得してきた。
そう、アルバム『Under Blue』は前作以降の2年8ヶ月における進化と発展を、新たなEveの音楽として結晶化させた作品なのだ。アレンジを手がけるNuma、Zingai(Eveのバンドメンバー/Numa(ギター)/masahitonakamura(ベース)/堀正輝(ドラムス))によるサウンドメイクと演奏の素晴らしさにもぜひ注目してほしい。