オルタナティヴR&Bや実験的なビート・ミュージックのエッセンスを取り入れながら、若者特有の甘美でセンチメンタルな歌世界を描くアーティストの2作目。みずからの微細な心の動きを丁寧に紡ぐ内省的なヴェクトルは変わらないが、音作りのダイナミズムやフリーキーさが増したことで、格段に開かれた音楽になった印象だ。この汽笛はきっと遠くまで届く。