サブミッション・メディア〈TOWER DOORS〉は、音楽の楽しみ方が多様化するなか、タワーレコードらしい〈新しい音楽との出会い〉をリスナー提供することを目指し、多くの楽曲をYouTubeチャンネルでご紹介しています。日々更新される楽曲を聴き逃さないよう、ぜひチャンネル登録を!
そんなTOWER DOORSのスタッフがお送りしているこちらのブログ。YouTubeで楽曲を聴いて〈どんなアーティストなの?〉と気になった方が、そのアーティストのことをより深く知ることができるのが、この〈6つの質問〉という企画です。
今回〈6つの質問〉に登場してもらうアーティストは、ラッパー、トラックメイカー、ライター、フォトグラファーなど、さまざまな才能を持つ弱冠19歳のアーティスト、okkaaaです。
okkaaaは6月26日にデビューEP『OKKAAA』をリリースしました。名刺代わりとなるような作品を制作したいという思いから始まり、さまざまな葛藤と決別する内容となっているそうです。
彼の音楽性は、いわゆる〈SoundCloudラップ〉的なトラップの要素とローファイ・ヒップホップを織り交ぜたサウンド、そしてウィスパー・ヴォイスによるラップが特徴。とても心地良いチルアウト・ミュージックとして聴くことができます。
いま注目が集まっているokkaaaに〈6つの質問〉で迫ってみましょう。
1. 出身地と音楽活動を始めたきっかけ(バンドであれば結成のいきさつ)について教えてください。
「出身地は東京の下町生まれです。音楽を始めたきっかけは、世界史の年号を覚えるためにラップをやったのが始めかもしれないです。それで一番最初にマイクを持ちましたね。そこから自分で歌詞を書いて、メロディーをつけて歌うみたいなことは好きでやってました。当時、サウンドクラウドでカバーや自作のラップをあげるのが流行ってて、やりやすかったですね」
2. 現在の音楽性に影響を与えたと思うアーティストや楽曲は?
「一番大きな軸は、宇多田ヒカルと岡村靖幸だと思います。
小さな時から聴いてたのは宇多田ヒカルですね。宇多田ヒカルの不思議な譜割や、美しい日本語が並んだ歌詞や、R&Bポップスの洒脱さからは、大きく影響されているかと思います。それは小学生ぐらいの時ですけどね。
あと岡村ちゃんの影響が大きいです。エッジの効いた音楽性や性を主題にしながらもポップな歌詞、早熟な才能……などなど、めちゃめちゃかっこいいですよね。そこから色々派生して今があるのかなぁと思います。
現在の自分のスタイルに至るまでは、その2つの自分の中の大きな存在を軸に、アジアのヒップホップカルチャーや、ネオソウル的なサウンドにも影響を受けていると思います」
3. 今回TOWER DOORSで紹介した曲はどんなふうに生まれた曲で、どんなことを表現していますか?
“subscription”
「この曲は、ストリーミングで音楽が自由に聞けるようになった現状と課題を自分なりに紐解いて歌っています。インターネットの普及によって遠くの音楽がすぐ聞けるようになったり、そのグローバリズムから引き起こされる〈ヒット曲の短命化〉だったり、ストリーミング上ではいかに短くてキャッチーな曲を出せるかみたいなことが重要視されたり。そういった課題に対して思うことや感じたことを綴っています」
4. 交流のあるアーティストでいま注目しているのは?
「それこそ、音楽を始めて1年も経たずにあったのが、Chilly Sourceのメンバーであるニューリーくん。
そしてAkusaくんですね。
みんな2000年付近生まれの人なんです。同世代と音楽をやると、やっぱ遊びと地続きでできるのがいいですね。知らない人とやると、やっぱ仕事になってしまう。特に、2000年代以降のデジタルエイジに何かをすることはとても意味深いと思ってます。みんなこの世代はいろんなこと考えてSNS上に帰着しちゃうじゃないですか。だからとりあえず遊び感覚で何かやってみるってことは重要なんだと思います。きっとこれからも」
5. TOWER DOORSは新しい音楽との出会いを提供することをコンセプトとするメディアですが、あなたが最近出会った新しい音楽は?
「村上春樹作品を読んでた時のことなんですけど、ふと作品中に出てくる音楽を聴きたいなと思って検索したんですよ。そしたら、出てくる作品を漏れなく順番にプレイリスト化していている人がいて、それがストリーミングサービスを登録しているユーザーなら誰でも聞けるようになってたんです! とてもありがたかったです。誰かが作ったプレイリストがこうやって公開されているのは思わぬところで恩恵を受けたりするんですね。なんだかとて嬉しかったです」
6. ライヴやリリースといった今後の活動や、やってみたいことなど、これからの展望について教えてください。
「今後はこのストリーミング時代/サブスク時代の流れを意識したプロジェクトを展開したいですね。あまり詳しく決まってないので、多くは語れないんですが、デジタルを駆使した自分らしい方法で、かつ新しいニーズを検証したいです。今、僕自身が音楽をやっていく上で生まれる必然性(技術面もそうだし内面的な意味でも)を大事にして、いろんなことに挑戦していけたらいいなと思っています」