KAKUBARHYTHMからの初作は、フォーク/カントリー/ブルースを背景とした陶酔的な音世界や前作からのダンサブルなビートは継承されつつ、シンプルにいい歌、いいメロディーがより際立って聴こえてくる印象だ。突如唸りを上げるディストーション・ギターも、微かに鳴り続ける奇妙な電子音も軋むノイズも、実験的でありながら終始レイドバックしたムードを崩さない。前作のラスト曲をモチーフにしたインストで幕を開け、前作のオープニング曲であるサイケデリック・ブルースを7分超のオルタナ・カントリーへと変貌させた終曲で締める構成も物語性があって◎。フレッシュな枯れ具合がとても魅力的な一枚。