TRUEが初のセルフカバーアルバム『みほのうた』をリリースした。作詞家・唐沢美帆としてアニメ主題歌や声優シンガーに歌詞を提供した数々の名曲を自ら歌った話題作だ。今回はTRUEへ本作についてライター北野創がインタビュー。各曲の背景や物語、一曲ごとに込めた強い思いをたっぷりと聞いた。

TRUE 『みほのうた』 TMC(2026)

 

過去と現在の〈いい出会い〉が凝縮されたセルフカバー作

――新作『みほのうた』は初のセルフカバーアルバムです。どんなアイデアから生まれたのでしょう?

「もともとワンマンライブでセルフカバーコーナーを設けていたのですが、CDとしていつか形にできたらいいなって前から思っていたんです。私が作詞家になった経緯も、アニメに携わる仕事がしたくてアニソンを作っているSCOOP MUSICに所属したことが始まりでした。アニメの曲をたくさん書かせていただけるようになってから、セルフカバーで一枚にまとめた作品を出したいなってずっと思っていたんですね。

2024年にCAT entertainmentに移籍して、フットワーク軽くライブや今回のようなリリースイベントをおこなえるようになりました。楽曲を作ることも前向きに捉えてくださる事務所なので、〈自分でCDを制作して出したい〉という相談をして、賛同してくれる方を集めて徐々に形になり、ついに発売日を迎えられました」

――自主レーベルTMC RECORDSからの作品になるんですね。

「はい。私はいままで人との出会いをすごく大切にしてきたんです。作詞家としてのいろはを教えていただいたSCOOP MUSICはアーティストとして活動を始めてからもそばで応援してくれた事務所なので、このアルバムの音楽制作はSCOOP MUSIC、プロデュースはいま支えてくれている、そしてこれからの未来も一緒に歩んでくれるCAT entertainmentという座組になっています。過去と現在が凝縮された一枚になったと思いますし、私はいい出会いをしているなって改めて感じました」

――素晴らしい関係性ですね。ところで、唐沢美帆名義で作詞された曲って200曲はありますよね。

「170曲ぐらいまで数えていたんですけど、それ以降は数えてなくて(笑)。たぶん200曲前後あると思います」

――セルフカバーする曲を選ぶのは大変だったのでは?

「もう大変でした~(笑)! 歌いたい曲がいっぱいありすぎて。でも、作詞家人生で大きなターニングポイントになったのが、やっぱりワルキューレさん、『マクロスΔ』との出会いでした。そういった作品の曲は欠かせなかったのと、あとは個人的に歌いたい曲を選びました。

それこそ“閃光のPRISONER”は、私が作詞家としてデビューしたばかりの頃に南里侑香さんのディレクター野崎圭一さんとの出会いがあったから収録した曲です。遡ると、私は過去に『逮捕しちゃうぞ the MOVIE』の主題歌(“CALLING”)をNITROという4人組のユニットで歌っていたんですけど……」

――8cm CDを持っています!

「本当ですか!? あの曲はいまも好きで、それこそSCOOP MUSICが制作した曲なんです。そのときの出会いがあり、当時の社長がボイストレーニングなどもしてくださったんですね。その後、〈作詞家として頑張ります〉と宣言した頃、最初に〈僕と仕事しませんか?〉と手を挙げてくださったのが野崎さんでした。譜面の書き方から〈作詞家たるものはこうだよ〉ということまで全部教えてくださったのが野崎さんなんです。

始めは声優の山口理恵さんに数曲書かせていただき、のちに南里さんの楽曲を担当させていただく機会をいただいて。私からしたら当時の南里さんはすごい有名人で、右も左もわからない駆け出しの作詞家に歌詞を預けてくださった南里さんには感謝でいっぱいです。作詞した“Mother land”をアニサマ(Animelo Summer Live 2013 -FLAG NINE-)で歌ってくださったときの〈自分の曲が大型フェスで歌われた!〉という感動をいまも覚えています。当時、〈任せていただいたからこそ全力でぶつかろう〉とがむしゃらに書きつづけていたうちの一曲が “閃光のPRISONER”です。なので、絶対にこの曲を入れたいと思って」