TRUEが初のセルフカバーアルバム『みほのうた』をリリースした。作詞家・唐沢美帆としてアニメ主題歌や声優シンガーに歌詞を提供した数々の名曲を自ら歌った話題作だ。今回はTRUEへ本作についてライター北野創がインタビュー。各曲の背景や物語、一曲ごとに込めた強い思いをたっぷりと聞いた。

過去と現在の〈いい出会い〉が凝縮されたセルフカバー作
――新作『みほのうた』は初のセルフカバーアルバムです。どんなアイデアから生まれたのでしょう?
「もともとワンマンライブでセルフカバーコーナーを設けていたのですが、CDとしていつか形にできたらいいなって前から思っていたんです。私が作詞家になった経緯も、アニメに携わる仕事がしたくてアニソンを作っているSCOOP MUSICに所属したことが始まりでした。アニメの曲をたくさん書かせていただけるようになってから、セルフカバーで一枚にまとめた作品を出したいなってずっと思っていたんですね。
2024年にCAT entertainmentに移籍して、フットワーク軽くライブや今回のようなリリースイベントをおこなえるようになりました。楽曲を作ることも前向きに捉えてくださる事務所なので、〈自分でCDを制作して出したい〉という相談をして、賛同してくれる方を集めて徐々に形になり、ついに発売日を迎えられました」
――自主レーベルTMC RECORDSからの作品になるんですね。
「はい。私はいままで人との出会いをすごく大切にしてきたんです。作詞家としてのいろはを教えていただいたSCOOP MUSICはアーティストとして活動を始めてからもそばで応援してくれた事務所なので、このアルバムの音楽制作はSCOOP MUSIC、プロデュースはいま支えてくれている、そしてこれからの未来も一緒に歩んでくれるCAT entertainmentという座組になっています。過去と現在が凝縮された一枚になったと思いますし、私はいい出会いをしているなって改めて感じました」
――素晴らしい関係性ですね。ところで、唐沢美帆名義で作詞された曲って200曲はありますよね。
「170曲ぐらいまで数えていたんですけど、それ以降は数えてなくて(笑)。たぶん200曲前後あると思います」
――セルフカバーする曲を選ぶのは大変だったのでは?
「もう大変でした~(笑)! 歌いたい曲がいっぱいありすぎて。でも、作詞家人生で大きなターニングポイントになったのが、やっぱりワルキューレさん、『マクロスΔ』との出会いでした。そういった作品の曲は欠かせなかったのと、あとは個人的に歌いたい曲を選びました。
それこそ“閃光のPRISONER”は、私が作詞家としてデビューしたばかりの頃に南里侑香さんのディレクター野崎圭一さんとの出会いがあったから収録した曲です。遡ると、私は過去に『逮捕しちゃうぞ the MOVIE』の主題歌(“CALLING”)をNITROという4人組のユニットで歌っていたんですけど……」
――8cm CDを持っています!
「本当ですか!? あの曲はいまも好きで、それこそSCOOP MUSICが制作した曲なんです。そのときの出会いがあり、当時の社長がボイストレーニングなどもしてくださったんですね。その後、〈作詞家として頑張ります〉と宣言した頃、最初に〈僕と仕事しませんか?〉と手を挙げてくださったのが野崎さんでした。譜面の書き方から〈作詞家たるものはこうだよ〉ということまで全部教えてくださったのが野崎さんなんです。
始めは声優の山口理恵さんに数曲書かせていただき、のちに南里さんの楽曲を担当させていただく機会をいただいて。私からしたら当時の南里さんはすごい有名人で、右も左もわからない駆け出しの作詞家に歌詞を預けてくださった南里さんには感謝でいっぱいです。作詞した“Mother land”をアニサマ(Animelo Summer Live 2013 -FLAG NINE-)で歌ってくださったときの〈自分の曲が大型フェスで歌われた!〉という感動をいまも覚えています。当時、〈任せていただいたからこそ全力でぶつかろう〉とがむしゃらに書きつづけていたうちの一曲が “閃光のPRISONER”です。なので、絶対にこの曲を入れたいと思って」

作品愛、アーティスト愛を思いっきりぶつけています
――唐沢美帆名義で音楽活動をしていた頃もご自身で作詞していましたよね。当時から作詞には積極的だったのでしょうか?
「月9ドラマ(『ラブ・レボリューション』)の挿入歌“Way to Love”を作ったとき、初めて作詞をしたんです。それを当時の事務所とレーベルのディレクターの方が〈書けるじゃん〉って面白がってくれて。〈こいつは作詞の才能があるのでは?〉と、その後は毎回歌詞を書かせていただきました。
その頃から書きたいことが溢れていたんです。〈日記みたいにはしないように〉というアドバイスは受けましたが、好きなように、書きたいように書いていました」
――“Way to Love”はかなりヒットした曲ですよね。
「そうなんです。でも、プレッシャーを感じるほど大人ではなかったというか、当時の私はただの子どもで、〈恋に恋している女の子がラブソングを書いた〉という感じで(笑)。気負うことなくたくさん曲を作って、自分が歌いたい言葉や聴きたいラブソングを書いていた、という感覚だったかも。
いまはその先にいる人を意識して書いています。特にアニメーション作品のタイアップを頂いたときは、作品とその先にいる人のことを考えているんです」
――作詞術もキャリアとともに変化していったんですね。
「はい。〈生涯の仕事を何にしよう?〉と思ったとき、小さい頃からアニメばかり見ていて、いろんな場面でアニメに助けてもらったし、いちばん身近にあったのがアニメやアニソンでした。その恩返しというか、自分もそこに身を投じたいという思いがあって。当時の私は、声優さんにはなれないしアニソンが歌えるとも思っていなかったから、裏方の仕事に徹しようと考えたんです。その一番の近道がアニソンを作ることでした。それからSCOOP MUSICに所属し、そこでやっと作詞家としてリスナーを意識する意識が芽生えたのかもしれません。
私は作品を背負って歌っているというより、制作者の一人として一歩一歩、一緒に歩んでいる気持ちなんです。なので、アニメへの愛だけを胸に抱いて活動してきました。そんな泥臭い思いに賛同してくれた作品が、たとえば『アイカツスターズ!』です。私が初代の『アイカツ!』の大ファンで、毎週SNSで愛を語っていたら、サンライズのプロデューサーの方が〈曲を一緒に作りませんか?〉ってお話をくださったんですね。〈えっ、いいんですか!?〉〈もうぜひ。くすぶっている『アイカツ!』愛を作品にぶつけてください〉って(笑)」
――歌いたいことを歌詞に込めるという意味で、唐沢美帆として歌っていた頃からスタンスは変わっていないのかもしれませんね。
「そうかもしれません。誠実に、正直に対象へ向き合うというか。ありがたいことに、お話を頂く作品が全部魅力的なんですよね。それに主題歌は絵がつく前に曲を作ることが多いので、〈これからどうなるんだろう〉というワクワク感も先に味わえますし」
――そんな愛が今作にもたくさん込められていると。
「はい! 作品愛、そして歌ってくれたアーティスト愛を思いっきりぶつけています」
デカルチャーな「マクロスΔ」とワルキューレの歌詞
――では、一曲ずつ聞かせてください。1曲目の“一度だけの恋なら”は「マクロスΔ」のオープニングテーマです。アニメ好きとして、マクロスの曲を書くとなるとハードルが上がりませんでしたか?
「そりゃそうですよ~(笑)! 本当に……。作詞家としてもシンガーとしても、やっぱり『ガンダム』シリーズと『ヤマト』シリーズ、そして『マクロス』シリーズは、いつかご一緒してみたいと思っていた作品で、その夢がすべて叶えられました。なかでも『マクロス』はすっごく大きな存在で、私は世代的に『マクロスF』がドンピシャなんです。
“一度だけの恋なら”は、作詞するときにマジで何の資料も頂けなくて(笑)。キービジュアルだけ送っていただいたのですが、『マクロス』といえば歌姫がいて、三角関係で、やっぱり恋の歌だよね……というところから想像を膨らませて“一度だけの恋なら”を作ったんです。そうしたらほぼリテイクもなく、〈デカルチャーですね!〉と言っていただけたので、〈よかった~!〉と安心して」
――「マクロス」ならではの誉め言葉ですね(笑)。
「そうおっしゃってくださったのが監督かはわからないのですが、河森正治監督は遊び心がめちゃめちゃある方で、その後何作もご一緒して、長いお付き合いをさせていただいています。“僕らの戦場”も同じ形で作ったのですが、曲を書いたあと、私の歌詞に合わせてアニメの絵を描いてくださったんですよ。そんなことをしていただけたのは初めてで、宇宙ぐらい大きな方たちだなってすごく感謝しています」
――ワルキューレは5人組で、“一度だけの恋なら”では美雲役のJUNNAさんとフレイア役の鈴木みのりさんがメインで歌っていますが、TRUEさんの歌にはそのツインボーカル感がありました。
「嬉しいです。実は、当時の仮歌も私がやらせていただいたんです。仮歌は譜面どおりに歌ったのですが、JUNNAちゃんはそこに囚われず、とても自由に歌っていて。JUNNAちゃんはすごく歌心があるから、作曲の加藤裕介さんは彼女のいいところ、JUNNAちゃん節をそのまま使おうとしたんじゃないかなと想像しています。JUNNAちゃんは彼女の気持ちが動くままに歌っていたので、それを真似するのではなく、私のなかのひとつの正解を歌おうと思って。微妙にフレーズの伸ばし方が違ったりするので、違いを楽しんでもらえたら嬉しいです」
――しっかり原曲へのリスペクトを込めているんですね。
「はい。ただ、当時のJUNNAちゃんは中学生だったと思うんですけど、あの感じはどう頑張っても出せなくて。大人になりきれない不安定な感じを出せたらなって、精一杯表現したつもりです。JUNNAちゃんに対してはお母さんのような気持ちがあるというか(笑)、彼女が元気に活動しているのを見ると嬉しいんですよね」
――JUNNAさんには歌詞の提供もしていますよね。
「そうなんです。今回、収録曲の候補にJUNNAちゃんに提供した“赤い果実”もあって。それぐらいかけがえのない存在というか、大切に思っている方です」

「アイカツ!」曲のセルフカバーは〈穏やかじゃない〉?
――ワルキューレではもう一曲、先ほど言及された“僕らの戦場”も歌っていらっしゃいます。
「実は、『マクロスΔ』で最初に書いたのが“僕らの戦場”なんです。気合いを入れて書いた曲ですし、ボーカリストとして私の魅力を表現できる曲だと思ったのでカバーしました。
歌いたかった曲はほかにもいっぱいあるんです。“りんごのうた”も“ALIVE〜祈りの唄〜”も大好きでライブでカバーしているので、第2弾に収録したいですね」
――“僕らの戦場”を歌ってみていかがでしたか?
「難しい!しかないですね(笑)。加藤さんの曲は難しいんです。ハーモニーがすごく綺麗に構成されているけど、コーラスが複雑で、そこにいくんだ!?みたいなメロディラインもあったり。歌いこなせば楽しいので、一生懸命向き合って練習しました」
――3曲目は“スタートライン!”です。僕も「アイカツ!」が大好きなので、TRUEさん版を聴けて嬉しかったです。「アイカツ!」って、対象年齢層的に子ども向けな部分があるじゃないですか。
「そうですね。子ども向け、かつ紳士淑女向け、みたいな(笑)」
――まだ幼い子どもに届けることも意識しての作詞は新しい挑戦だったのでは、と思うのですが。
「新しい挑戦でした。でも、とにかく私は本っ当に『アイカツ!』が好きだったもので!」
――どこに惹かれたんですか?
「スポ根なところですね。1期のオープニングテーマ“Signalize!”は畑亜貴さんが作詞されていて、女児向けアイドルアニメの曲なのに辛辣な歌詞だったことに衝撃を受けて。夢を見つづけることの辛さをキラキラしたディアステージのアイドル(STAR☆ANIS)が歌っているなんて、どういうアニメ!?と思って見はじめたら、想像以上に超スポ根で、まっすぐで。アイドルアニメってこんなに熱いんだ!?って恋してしまって、それからずっとハマって見ていました。
『アイカツスターズ!』のお仕事は先ほどの経緯で頂いたんですけど、初代『アイカツ!』で畑さんとこだまさおりさんが作った世界観があるので、私が書くのであれば私らしく、とことんまっすぐ青臭い私のまま綴れたらなって考えていました。なので、〈夢は見るものじゃない 叶えるものだよ〉って、自分へのおまじないじゃないけど、そう言いつづけられる私でいられるように、と思って書いた曲です」
――そんな曲をセルフカバーされて、いかがでした?
「どう歌おうかすっごく悩んだんです……」
――歌声のキラキラ感が素敵でした。
「ありがとうございます。そこにいちばん気をつけました。子どもたちに届く声色を意識したので、なんとか可愛らしく表現できたんじゃないかなって」
――いや~、TRUEさん版の“スタートライン!”は自分にとって本当に……。
「〈穏やかじゃない〉ですか?」
――「アイカツ!」のキャラクター霧矢あおいの口癖ですね(笑)。さすが、いい返しをありがとうございます!
ステージで戦う武器がひとつ増えた
――続いて、“Step Up!”は水瀬いのりさんの曲です。
「選んだ理由はただひとつ、本当にこの曲が好きだから! 制作している当時から、〈この曲、私も歌いたい~! 自分の曲だったらいいのに〉なんて思っていたぐらい好きで。書いているときもすっごく楽しかったです。
こういうロックで元気な曲って、水瀬さんの作品では少し珍しいじゃないですか。フックになっていて素敵だなって、ライブで盛り上がっているのを見て思いました」
――ご自身で歌ってみてどうでしたか?
「めっちゃ嬉しかったです! 想像以上に誰でも盛り上がれる曲だって実感できて。参加型の曲というか、〈One Two Three Four〉ってカウントもすぐ覚えられますし。私が最初にセルフカバーしたのが〈京 Premium Live〉というイベントで、初めて聴いたであろう方もたくさんいたと思いますが、会場中大盛り上がりで。〈いのりまち〉の町民(水瀬いのりのファンクラブ名およびファンネーム)の方も初見の方も喜んでくださったと思います。それは、ひとえに曲の力だなって。今回セルフカバーして、ステージ上で戦う武器がひとつ増えた感覚です」
――次が“花ざかりWeekend✿”という「アイドルマスターミリオンライブ!シアターデイズ」の曲です。それこそ「ミリオン」ではたくさんの曲を書いていらっしゃいますね。
「この曲は『ミリオン』の後期、『シアターデイズ』に入ってからの曲なんですけど、想像以上にお客さんに愛していただいた曲になりました。
曲調にハロプロ(ハロー!プロジェクト)みがあるんですよね。私たち日本人って、全員ハロプロが大好きだと思うんですよ! 魂のなかにハロプロ愛が宿っていて、取り除くことができないんです。ああいう曲調って日本人のなかにあるものだと思います」
――ディスコ歌謡的な曲調ですよね。
「まさに! そのハロプロイズムが刺さりました。それこそモーニング娘。さんがデビューされたのは私が小学生の頃で、自分のなかのアイドルソングの芽生えや目覚めを感じたのがモー娘。さんなんです。なので、“花ざかりWeekend✿”は楽しく書かせていただきました。
私は音楽にしがみついて、〈絶対やめないぞ〉と思って生きてきたんです。それこそ〈止めない勇気こそ強さ〉(“サウンドスケープ”の歌詞)と思って、ここまでやってきました。実は、密かにOLをやっていた時代がありまして、そのときの経験が生かせる曲だったことも大きくて」
――この曲のテーマはOLの週末ですものね。
「そう、OLさんの華金がテーマでした。当時の自分への応援ソングじゃないですが、一生懸命働いて今を生きる人たちのアンセムになったらいいなって。〈平日頑張って働いているから、金曜の夜ぐらい好きなことや楽しいことをしようぜ〉って肯定してあげられる曲になればいいなと思って書きました」
――原曲は4Luxuryという4人組ユニットが歌っていますが、お1人で歌うのは大変でしたか?
「メインのメロディラインは楽しく歌えたんですけど、セリフが難しくて(笑)。〈お疲れ様です~〉とか、セリフがちょこちょこ入っているので、そのハードルが高かったです。ディレクターさんも〈無理してやらなくてもいいんじゃないですか?〉と言ってくださったんですが、〈えっ、やりたいです! 練習させてください!〉とお願いして。声優さんの表現力が素晴らしくて真似できないので、私なりのOL時代を彷彿させる曲になればいいなと思い、自分のなかでのムカつく後輩になりきってセリフを言いました(笑)」

藍井エイルの背中をドーン!と押す応援歌
――そして、先ほどお話にあった“閃光のPRISONER”です。当時Elements Gardenに所属していた母里治樹さんが作曲したドラマティックな曲調で、エレガらしい作品だなと。
「誰がどう聴いても超エレガですよね! 南里さんの曲を入れたいという思いはすごくありました。野崎さんへの感謝もありますし、あの頃があったからこそいまの私がいるから。正直、“Mother land”と悩んだんです。だけど、 “閃光のPRISONER”が私のボーカリストとしての魅力を活かせるなと思って歌うことにしました。
ただ、いざ歌ってみたら……南里さんは歌がめちゃめちゃお上手だと痛感しました。南里さんって、単に音符を追うだけじゃなく、声優でもあるのでお芝居もしながら歌うんですよね。それが秀逸で、RECしながら何度もプレイバックして研究して。たとえば、〈刹那の果て〉というフレーズを歌うとき、南里さんは〈果て〉の前にブレスを入れるんです。〈刹那の(スウッ)果て〉って、果てるんですよ、ちゃんと! そういうテクニックがたくさんあって、めちゃめちゃ勉強になりました。私の〈果て〉でも再現しているので、ぜひ聴いていただきたいです」
――〈暗闇を撃て〉のハイトーンなど、TRUEさんのパワフルなボーカルの魅力が全開だと思いました。
「ありがとうございます。いつかElements Gardenさんの曲を歌ってみたくて、憧れがあったんです。めっちゃ気持ちいいんですよ、エレガさんの歌って。ボーカリストが見せたいところでちゃんと見せられるんです。
それこそ日本人が好きな歌謡節もあるから、どの世代の人が聴いてもいい曲だと感じられますし」
――7曲目の“GENESIS”は藍井エイルさんの代表曲のひとつになっていますね。
「エイルちゃんとは最近すごく仲良くさせていただいてて、エイルちゃんにいま伝えたい思いを“GENESIS”で表現したいなって思ったんです。私信になっちゃうかもしれないけど、エイルちゃんの不器用な生き方がとても好きというか……」
――共感みたいなものですか?
「応援したくなる、が近いかな。エイルちゃんって取り繕えないというか、エイルちゃんとしてじゃなきゃ生きられなくて、〈そんなことで傷つかなくてもいいよ〉ということをちゃんと受け止めるから、防御を知らないんですよね。そうやって迷ったり間違えたり傷ついたりするけど、〈でも、やっぱり歌が歌いたい〉って何度も立ち上がる姿がすごくかっこよくて美しい。私もそんなふうに生きていきたいなって思うから、エイルちゃんへの応援歌としてこの曲を収録しました。
昨年、〈anitopia Sapporo 2025〉というイベントで一緒に歌ったんですけど、“GENESIS”という曲が持つ〈始まり〉という意味は進化したんだなって、エイルちゃんが歌う姿を見て感じました。“GENESIS”の歌詞にもありますが、何度間違えて傷ついても、もう一度立ち上がろうとする勇気こそが〈始まり〉なんだなって。だから、立ち止まってしまったり、迷ったり悩んだり、傷ついて動けなくなっている人の火種にこの曲がなれば、と思って歌うべきだと考えたんです」
――唐沢さんが書く歌詞には〈何度でも立ち上がって始めよう〉というメッセージが多い印象です。
「たしかにそうかもしれません。私、この世界に転生してきたので。もう一回、第二の人生を歩み直しているから。いま初めて気づきました」
――“GENESIS”ではTRUEさんの圧倒的な歌力を感じました。
「ありがとうございます! アレンジも変えたので、聴き比べてみてください。“GENESIS”はアレンジをガラッと変えて強い曲にしたかったので、細かくリクエストしたんです。エイルちゃんの背中をそっと押すのではなくて、ドーン!って押してあげられる強い曲になったと思います」
CDで曲間も楽しんで
――最後に収められている“Finally”は「転生貴族、鑑定スキルで成り上がる」のエンディング主題歌。花澤香菜さん演じるキャラクターの曲ということで、アルバムのなかでも毛色が異なる優しい歌になっています。
「オープニング主題歌の“ブルーデイズ”も私がTRUEとして担当したのですが、この曲は個人的にすごく好きだったんです。好きな人の好きなところをひとつずつ数えていく、すごく可憐な曲で。この曲でも花澤さんの表現力に本当に驚かされました。なので、ボーカリストとして新たなチャレンジをしたくて収録しました。
これもかなりリアレンジしていて、すべて生演奏で録っていただいています。TRUEの代表作のひとつである『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の楽曲みがあるというか、ひとつずつ言葉を綴っている、言葉を大切にしている感じも表現できたので、カバーしてよかったと思います。
アルバムのなかではボーナストラック的に楽しんでいただきたくて、あえて曲間をかなり空けたんです。配信で楽しんでいただく時代ですけど、せっかくなのでCDプレーヤーで曲間も一緒に楽しんでいただけたらと思います」
――母性愛すら感じる優しい歌のアプローチは、ご自身にとっても挑戦だったのでは?
「新たな表現への挑戦でした。近年、ビルボードライブ公演だったり、アコースティックライブやディナーショーだったり、いろんな形のライブをしていて。いまのTRUEの軸のひとつになりつつあるのが、こういう音数が多くないアレンジの曲なんですね。それを表現しかったので、この曲も迷いなく収録を決めました。
読後感があると思うので、聴き終わったあとにご自身の大事な人をイメージして聴いていただけたらと」

表現者として〈Step Up!〉
――ストーリー性があって、聴き応えのあるアルバムですよね。
「嬉しいです。リプレイしていただく想定で曲順や曲間を考えたので、ぜひCDで楽しんでいただきたいです!」
――セルフカバー集を作り上げた手応えはいかがでしょう?
「すごく自信になりました。私はアニソンシンガーであることを誇りに思っているのですが、その性質上、やっぱりアニメーション作品が第一にあって、作品とともに音楽を作っていくことが制作の基本になります。そんななかで、イチから自分で企画してCDを完成させたことは大きな自信になりました。自分はフットワーク軽くオリジナル曲を作っているタイプだと思いますが、そのハードルがより下がって、また2枚目、3枚目と作品を作っていきたいなって前向きな気持ちになりました。表現者としてステップアップできたと思います」
――まさに〈Step Up!〉ですね。2月7日と21日には〈セルフカバーLIVE vol.1 -みほのうた-〉を開催されました。
「セルフカバーライブは初めての試みなのですが、コンセプチュアルなライブを目指しました。作詞家として言葉を綴ってきた私のいままでの生き方が端々から感じ取れるようなライブになりました」
――言葉を綴るお仕事を続けてこられた唐沢さんにとって、やはり言葉は大切なものですか?
「大切ですし、すごく難しいものなので、これからも時に手放したり抱きしめたりしながら、言葉と一生懸命向き合っていきたいです」
RELEASE INFORMATION

リリ-ス日:2026年1月21日(水)
品番:WAGE-13011
CDパッケージ仕様:デジパック
価格:2,800円(税込)
TRACKLIST
1. 一度だけの恋なら
(作詞:唐沢美帆・加藤裕介 作曲:加藤裕介 編曲:yamazo)
※original artist:ワルキューレ(TVアニメ「マクロスΔ(デルタ)」OPテーマ)
2. 僕らの戦場
(作詞:唐沢美帆・加藤裕介 作曲:加藤裕介 編曲:菊地雅葵)
※original artist:ワルキューレ(TVアニメ「マクロスΔ(デルタ)」挿入歌)
3. スタートライン!
(作詞:唐沢美帆 作曲:蔦谷好位置 編曲:哥丸雄貴)
※original artist:せな・りえ from AIKATSU☆STARS!(TVアニメ/データカードダス「アイカツスターズ!」主題歌)
4. Step Up!
(作詞:唐沢美帆・川崎智哉 作曲:川崎智哉 編曲:大畑拓也)
※original artist:水瀬いのり(Album『Catch the Rainbow!』収録)
5. 花ざかりWeekend✿
(作詞:唐沢美帆 作曲:新田目翔 編曲:yamazo)
※original artist:4Luxury(「アイドルマスターミリオンライブ!シアターデイズ」の楽曲)
6. 閃光のPRISONER
(作詞:唐沢美帆 作曲:母里治樹 編曲:菊地雅葵)
※original artist:南里侑香(TVアニメ「魔法戦争」OPテーマ)
7. GENESIS
(作詞:唐沢美帆 作曲:丸山真由子 編曲:大畑拓也)
※original artist:藍井エイル(TVアニメ「アルドノア・ゼロ」第2クール EDテーマ)
8. Finally
(作詞:唐沢美帆 作曲:夢見クジラ 編曲:岩嵜壮志)
※original artist:リシア・プレイド(cv. 花澤香菜)(TVアニメ「転生貴族、鑑定スキルで成り上がる」ED主題歌)
EVENT INFORMATION
インストアイベント
2026年3月14日(土)タワーレコード広島店 店内イベントスペース
開始:15:00
詳細:https://tower.jp/store/event/2026/03/013001TRUE
2026年3月15日(日)タワーレコード仙台パルコ店 店内イベントスペース
開始:13:00
詳細:https://tower.jp/store/event/2026/03/011002
2026年4月19日(日)神奈川・川崎 ラ チッタデッラ内 中央噴水広場
開始:13:00
詳細:https://tower.jp/store/event/2026/04/0220419
LIVE INFORMATION
TRUE Live Tour PLAY! vol.3 -乱舞-
2026年5月6日(水・祝)宮城・仙台 電力ホール
開場/開演:17:00/18:00
2026年5月16日(土)広島 アステールプラザ 中ホール
開場/開演:17:00/18:00
2026年6月20日(土)大阪 NHK大阪ホール
開場/開演:17:00/18:00
2026年7月17日(金)東京・渋谷 LINE CUBE SHIBUYA
開場/開演:17:30/18:30
PROFILE: TRUE
2014年に〈TRUE〉としてアーティストデビュー。「バディ・コンプレックス」オープニングテーマを皮切りに、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」「転生したらスライムだった件」など多数のアニメ主題歌を担当。激しく熱い楽曲から壮大なバラードまであらゆるタイプの楽曲を歌いこなす。全世界でも注目を浴び海外のアニメイベントステージにも出演するなど飛躍を続けている。〈唐沢美帆〉名義で作詞家としても活躍。
■TRUE OFFICIAL WEBSITE
https://true-singer.com/