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作品愛、アーティスト愛を思いっきりぶつけています

――唐沢美帆名義で音楽活動をしていた頃もご自身で作詞していましたよね。当時から作詞には積極的だったのでしょうか?

「月9ドラマ(『ラブ・レボリューション』)の挿入歌“Way to Love”を作ったとき、初めて作詞をしたんです。それを当時の事務所とレーベルのディレクターの方が〈書けるじゃん〉って面白がってくれて。〈こいつは作詞の才能があるのでは?〉と、その後は毎回歌詞を書かせていただきました。

その頃から書きたいことが溢れていたんです。〈日記みたいにはしないように〉というアドバイスは受けましたが、好きなように、書きたいように書いていました」

――“Way to Love”はかなりヒットした曲ですよね。

「そうなんです。でも、プレッシャーを感じるほど大人ではなかったというか、当時の私はただの子どもで、〈恋に恋している女の子がラブソングを書いた〉という感じで(笑)。気負うことなくたくさん曲を作って、自分が歌いたい言葉や聴きたいラブソングを書いていた、という感覚だったかも。

いまはその先にいる人を意識して書いています。特にアニメーション作品のタイアップを頂いたときは、作品とその先にいる人のことを考えているんです」

――作詞術もキャリアとともに変化していったんですね。

「はい。〈生涯の仕事を何にしよう?〉と思ったとき、小さい頃からアニメばかり見ていて、いろんな場面でアニメに助けてもらったし、いちばん身近にあったのがアニメやアニソンでした。その恩返しというか、自分もそこに身を投じたいという思いがあって。当時の私は、声優さんにはなれないしアニソンが歌えるとも思っていなかったから、裏方の仕事に徹しようと考えたんです。その一番の近道がアニソンを作ることでした。それからSCOOP MUSICに所属し、そこでやっと作詞家としてリスナーを意識する意識が芽生えたのかもしれません。

私は作品を背負って歌っているというより、制作者の一人として一歩一歩、一緒に歩んでいる気持ちなんです。なので、アニメへの愛だけを胸に抱いて活動してきました。そんな泥臭い思いに賛同してくれた作品が、たとえば『アイカツスターズ!』です。私が初代の『アイカツ!』の大ファンで、毎週SNSで愛を語っていたら、サンライズのプロデューサーの方が〈曲を一緒に作りませんか?〉ってお話をくださったんですね。〈えっ、いいんですか!?〉〈もうぜひ。くすぶっている『アイカツ!』愛を作品にぶつけてください〉って(笑)」

――歌いたいことを歌詞に込めるという意味で、唐沢美帆として歌っていた頃からスタンスは変わっていないのかもしれませんね。

「そうかもしれません。誠実に、正直に対象へ向き合うというか。ありがたいことに、お話を頂く作品が全部魅力的なんですよね。それに主題歌は絵がつく前に曲を作ることが多いので、〈これからどうなるんだろう〉というワクワク感も先に味わえますし」

――そんな愛が今作にもたくさん込められていると。

「はい! 作品愛、そして歌ってくれたアーティスト愛を思いっきりぶつけています」

 

デカルチャーな「マクロスΔ」とワルキューレの歌詞

――では、一曲ずつ聞かせてください。1曲目の“一度だけの恋なら”は「マクロスΔ」のオープニングテーマです。アニメ好きとして、マクロスの曲を書くとなるとハードルが上がりませんでしたか?

「そりゃそうですよ~(笑)! 本当に……。作詞家としてもシンガーとしても、やっぱり『ガンダム』シリーズと『ヤマト』シリーズ、そして『マクロス』シリーズは、いつかご一緒してみたいと思っていた作品で、その夢がすべて叶えられました。なかでも『マクロス』はすっごく大きな存在で、私は世代的に『マクロスF』がドンピシャなんです。

“一度だけの恋なら”は、作詞するときにマジで何の資料も頂けなくて(笑)。キービジュアルだけ送っていただいたのですが、『マクロス』といえば歌姫がいて、三角関係で、やっぱり恋の歌だよね……というところから想像を膨らませて“一度だけの恋なら”を作ったんです。そうしたらほぼリテイクもなく、〈デカルチャーですね!〉と言っていただけたので、〈よかった~!〉と安心して」

――「マクロス」ならではの誉め言葉ですね(笑)。

「そうおっしゃってくださったのが監督かはわからないのですが、河森正治監督は遊び心がめちゃめちゃある方で、その後何作もご一緒して、長いお付き合いをさせていただいています。“僕らの戦場”も同じ形で作ったのですが、曲を書いたあと、私の歌詞に合わせてアニメの絵を描いてくださったんですよ。そんなことをしていただけたのは初めてで、宇宙ぐらい大きな方たちだなってすごく感謝しています」

――ワルキューレは5人組で、“一度だけの恋なら”では美雲役のJUNNAさんとフレイア役の鈴木みのりさんがメインで歌っていますが、TRUEさんの歌にはそのツインボーカル感がありました。

「嬉しいです。実は、当時の仮歌も私がやらせていただいたんです。仮歌は譜面どおりに歌ったのですが、JUNNAちゃんはそこに囚われず、とても自由に歌っていて。JUNNAちゃんはすごく歌心があるから、作曲の加藤裕介さんは彼女のいいところ、JUNNAちゃん節をそのまま使おうとしたんじゃないかなと想像しています。JUNNAちゃんは彼女の気持ちが動くままに歌っていたので、それを真似するのではなく、私のなかのひとつの正解を歌おうと思って。微妙にフレーズの伸ばし方が違ったりするので、違いを楽しんでもらえたら嬉しいです」

――しっかり原曲へのリスペクトを込めているんですね。

「はい。ただ、当時のJUNNAちゃんは中学生だったと思うんですけど、あの感じはどう頑張っても出せなくて。大人になりきれない不安定な感じを出せたらなって、精一杯表現したつもりです。JUNNAちゃんに対してはお母さんのような気持ちがあるというか(笑)、彼女が元気に活動しているのを見ると嬉しいんですよね」

――JUNNAさんには歌詞の提供もしていますよね。

「そうなんです。今回、収録曲の候補にJUNNAちゃんに提供した“赤い果実”もあって。それぐらいかけがえのない存在というか、大切に思っている方です」