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お金や才能ではなく〈仲間だよ〉という青さ

――こういった曲を書こうと思ったのは、今のタイミングだったからなのか、それともデモのイントロを聴いて結びついたのか、どちらだったのでしょうか。

「僕の感情が動いたタイミングとこの曲が繋がった感じですね。友人の子どもを抱っこしたことや人の生死、そして偶然であり必然でもある出会い方をしてコンサート会場までわざわざ足を運んでくれた方々の前で僕がこの曲を歌うことまで想像して書きました。だからタイミングとしては今できた曲ですが、きっと今生まれなくてもいつかこの曲は絶対にできていたと思います」

――個人的には歌詞から気づきもありまして。〈じゃあ何が欲しい?〉以降を読んで、やっぱり仲間が大切だなと改めて思わされました。

「あはは(笑)。ここも青さを意識した部分かも。聴く人によっては綺麗事に聞こえるかもしれないですが、大人になると〈やっぱりお金だよね。才能だよね〉となってしまうことが多いと思うんです。〈そうじゃなくて仲間だよ〉という選択肢を持ってくることで、青さを残したというか。それに僕自身、本当にこう思っている部分もあるので、ストレートに書いてみました」

 

曲をどう聴かせるか? 細かな調整を巡る攻防戦

――これまで仲間を大切にしてきた北山さんだからこそ、説得力がある歌詞ですよね。そして、サウンドはポップさがあるロックナンバーです。以前にもタッグを組んだ藤家さん、KNOTmanさんが手掛けていますが、どんなやり取りをされたのでしょうか。

「実は元々はこの曲、BPMが8くらい速かったんです。わざと疾走感を出してふわっと終わらせる曲だったのですが、やっていくうちに〈メロディーがめちゃくちゃいいし、歌詞を聴かせたい〉と言って調整をしました。僕は世の中に出すことを考えたらBPMを落としたいと言ったのですが、藤家くんは〈いや、速い方がかっこいい〉と言っていて、結構戦ったんですよ(笑)」

――攻防戦が繰り広げられたんですね(笑)。

「藤家くんとはオーディションが同じ日だったので、まったく同じ日に芸能界に入ったんですね。右も左もわからない状況で紆余曲折あって、僕は違うグループに入って、彼もまた別のグループに入って。で、藤家くんはグループが解散して独立してずっと頑張ってきている中で、彼はベーシストなので僕のツアーを一緒に回ってくれたりもしました。そんな関係性なので、僕がどういう曲がやりたいか、どういう曲があればライブがより良くなるかという視点で共通点がたくさんあって。

そんな中で、〈明るく爽やかなロックナンバーもあった方がよくない?〉という話になり、曲を一緒に作ることになったんです。僕からリファレンスを出して、藤家くんが作ってくれた曲を聴いた瞬間、〈これだわ〉と。そこから〈こういう進行でこうしたい〉という細かなことはありましたが、最終的にはお互いきちんとすり合わせをして、僕が歌詞を書いていったという流れです」

――これは曲先だったんですね。

「そうですね。でも僕、基本曲先なんです」

――メッセージ性の強い曲を書かれる方は詞先のケースも多いので、少し意外でした。

「たしかにね。でも僕は歌詞が詰まってもいいし、余ってもいいと思っていて。〈メロディーが少し変わるけど、ここ詰めるね〉というケースもたまにあるのですが、“ULTRA”に関してはメロディーが良かったので、活かしました」

――今ふと思ったのですが、北山さんはこれまでもいろんなアーティストの方と曲を作ってきていらっしゃいますよね。その中でも、これだけ深い関係性がある藤家さんとだったらかなりスムーズに制作が進みそうです。

「話は早いですね。でもね、他のアーティストさんと組んでも、まったく違う血が入ってくるので面白いんですよ。〈そんな書き方をするんだ〉、〈ここでそういう韻の踏み方をするんだ〉と気づきも多いです。

それに、相手が書いてくれた1番の歌詞の解説を一切聞かず、僕の解釈で2番を書いたこともありました。そうすると、合っているようで合っていないけど合ってる、みたいな現象が起きるんです。で、答え合わせをすると〈そうきたか!〉となってめちゃくちゃおもしろい(笑)。TenTwentyの斎藤(宏介)さんと組んだ時は、そんな感じでした」

――トップアーティスト同士だからこそのクリエイティブですね。そして、“ULTRA”では歌い方も曲の展開に合わせて変化していますよね。聴きどころをおうかがいしたいです。

「最後の〈I Love youを歌う〉の部分かなぁ。あえて2回そのまま繰り返したのですが、シンプルにわかりやすく歌っています。というのも、ストレートに伝えられた時に、すごく心に響くことってあるじゃないですか。そういうふうに届くといいなと思って歌いました。

あとは全体的にアクセントの入れ方は意識したかもしれません。曲を聴いていて、グッと来たい部分ってありますよね? そういう部分にアクセントを入れてみる、とかはしましたね」