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最近のDEZOLVE、大人しくない?

 今回の取材には不在だった北川は、アルバムの幕開けを飾るロッキンな重量級フュージョン“Stray Bullet”を含む4曲を制作。友田が「彼は半分〈数学者〉というか、音楽を数式や設計図として捉えている節がありますね。一人だけ白衣を着て作曲しているイメージ(笑)」と評価する通り、ハーフタイム・シャッフルをさらにトリッキーにしたリズムが不思議なグルーヴと浮遊感を生む“Parallel World”、拍の置き方が独特で「最初は作曲した本人以外はどこが頭(1拍目)なのか把握できなかったんですけど(笑)、その実験的なおもしろさと物憂げで美しいメロディー運びの対比が絶妙」(友田)という“Antipode”などで、らしさを発揮する。また、前作『Asterism』で友田のサポートを得て初めて作曲に挑戦した兼子は、超絶技巧の変拍子アンサンブルがめくるめく展開する“Realm”を単独で作曲。山本が「初期の頃の無茶な全部乗せサウンド、当時のDEZOLVEが持っていた牙を持ち込んでくれた」と語る、みずからの〈Realm=領域〉を展開した渾身の一曲だ。

 「DEZOLVEリスナーからメンバーになった自分という、世界で僕一人しか持っていない〈領域〉を表現することにこそ価値があると思って。リスナーとしてDEZOLVEを聴いていた時期の感覚、サポートで学んだこと、メンバーとして3人と過ごすなかで得た知見や楽しさ……それらすべてを大きな鍋に放り込んで、強火で一気に煮詰めるようなイメージで作りました。内心、〈最近のDEZOLVE、ちょっと大人しくなってないですか?〉ってみんなの尻を叩きたい気持ちもありました(笑)」(兼子)。

 攻め感の強い北川と兼子に対し、年長組の2人はメロディー重視の多彩な楽曲を用意。友田は穏やかな光が射すミディアム“A Way Yet to Step”とクラブ・ミュージック的なグルーヴを有した“Motion Blur”という対照的な2曲で魅せる。

 「“A Way Yet to Step”はどこか懐かしいアメリカーナなテイストを取り入れたくて書いた曲。“Motion Blur”はDEZOLVEの音楽とダンス・ミュージックを掛け合わせたらどうなるか、という実験から始まって、UKガラージのリズムを取り入れてみました。聴きどころは最後に登場するトークボックス。これまでDEZOLVEでは使っていなかった楽器なので、新しい飛び道具として、ソウルフルでグルーヴィーな味付けを加えてみました」(友田)。