未来のフュージョン・シーンを担う新鋭たちが本田雅人をゲストに迎え放つ大作

 日本のフュージョンの伝統を踏襲するパワー・チューンからJ-POPやゲーム音楽を通過した現代の若者らしいファンタジックな楽曲、そしてパット・メセニー・グループやウエスト・コーストのフュージョンを意識したような大人の色気で迫るナンバーまで。2014年に結成されたDEZOLVEのメジャー第2弾(通算4作目)となる本作は、バラエティに富みつつも「地球の誕生から新しい世界の始まりまで」を描くというコンセプトのもとに密度の濃い楽曲が集められ、1枚を通して聴くと、まるで壮大な組曲を聴き終えたか、あるいは1本の映画を観終わったかのような、どっしりとした充実感に包まれる。本当に力作だ。

 DEZOLVEは友田ジュン(キーボード)、小栢伸五(ベース)、そして山本真央樹(ドラムス)の3人がそれぞれセッションの現場で出会い意気投合して結成、ファースト・アルバムの制作に招いた北川翔也(ギター)がセカンドから正式に加入して現在の編成となった。平均年齢24.5歳という若さながら、それぞれがJ-POPやジャズの分野で錚々たるメンバーと共演を重ねる実力者である。

 本作で特筆すべきは、演奏の圧倒的な熱量。お互いがしのぎを削り合う熾烈なバトルがとてつもないエネルギーを生み出し、聴く者を捉えて離さない。その秘密は、作曲の過程にあった。

 「僕たちはアイデアを持ち寄ってみんなで作り上げていくのではなく、作曲した本人が他のメンバーのソロまで含めすべて完成させてくるようにしているんです」(山本)「そしてレコーディングの場では、自分の演奏は作曲者が作ってきたものより上をいかないといけないから、おのずと熱もこもりますよね」(小栢)「そうすることでDEZOLVEらしさをお互いに高めあっていくんです」(友田)

 そして、本作では彼らのさらに上を行く強力なゲストが参戦した。本田雅人(sax)だ。山本と小栢が共演したのが縁で、全11曲中5曲に参加し、多彩なソロを聴かせている。

 「もう本当に、何から何まで僕たちの予想を超えてきました」(小栢)「本田さんのEWIと僕のギターが交互にソロをとり合う曲があって、実は一緒に録音することはできなかったのですが、送られてきたソロを聴いたら、いくらやっても思いつかないようなアプローチでとても格好良く、本当にびっくりしましたね」(北川)

 3月からは本作をひっさげたツアーも行われる。古くからのフュージョン・ファンはもちろん、ゲームやアニメから音楽に入ったという人も、ぜひ足を運んでみてほしい。まるで1枚のサウンドトラックのようなライヴが繰り広げられるはずだから。

 


LIVE INFORMATION
DEZOLVE 4th Album “AREA” Release Tour 2019

2019年3月11日(月)鳥取・米子 AZTiC laughs
2019年3月12日(火)愛知・名古屋 Bottom Line Cafe
2019年3月13日(水)京都・三条 RAG
2019年3月14日(木)大阪・西梅田 Mister Kelly’s
2019年4月6日(土)埼玉・川口 SHOCKON
2019年4月20日(土)東京・目黒 Blues Alley Japan
https://www.dezolve.net/

 

EVENT INFORMATION
DEZOLVE『AREA』発売記念ミニライヴ&CDサイン会
2019年2月23日(土)タワーレコード渋谷店 5Fイベントスペース
開始:19:00
https://tower.jp/store/event/2019/02/003008