大阪発・ネオキューティーロックバンド、三四少女(読み:サンスーガール)がメジャーデビューEP『一生仲仔』をリリースする。表題曲はTVアニメ「オタクに優しいギャルはいない!?」の書き下ろしエンディングテーマで、アニメに描かれているギャルとオタクの友情物語と、一致団結して新しいスタートを切るバンドの現状を重ね合わせたポップなロックチューン。アニソンあるあるを詰め込んだ華やかなサウンドアプローチが、バンドの勢いを象徴している。
だが三四少女は、メインコンポーザーのひとりであったギタリスト・たみの脱退が決まったことで、2025年の頭に解散の危機を抱えていたという。3人はなぜそれを思いとどまることができ、なぜ今作がこれほどまでにカラフルで多種多様な内容となったのか。メンバー全員に訊いた。
解散の危機を経て、フロントマンを引き受けた川田の覚悟
――三四少女は2025年6月に新体制で動き出し、今年の1月に地元大阪で初ワンマンを行いました。ですがこのワンマンは、2025年の頭の段階では解散ライブになる予定だったそうですね。
川田羽撫子(ボーカル/ギター)「メインコンポーザーのひとりだったギターのたみが脱退することになって、やっぱり状況が変わりすぎてしまうからこのままでは続けられへんし、解散やなと思ったんです。
でもそんなタイミングで、メジャーデビューの話とTVアニメ『オタクに優しいギャルはいない!?』のタイアップの話をいただいて。そのときシンプルに、やってみたいなと思ったんですよね。解散云々は一旦置いといて、まず頑張ってみたいなって」
あんどりゅー(ドラムス)「たみの脱退が決まったとき、解散するしかないモードに入っちゃったんです。また会社員に戻るか……と就職先を調べたりしながらも、やり残したこともたくさんあるし続けたいけどなあと寂しさもすごく大きくて。だから続けることになったとき、めっちゃうれしかったです」
さっちゅー(ベース)「わたしは解散の決心がついてたんです。でも解散を決めた後に各地のサーキットイベントやライブに出たとき、その土地の人から〈また来年も来てください〉と言ってもらったり、ずっと憧れやった人と対バンできたりして、日々のライブがめっちゃありがたいことやったんやなと気づきました。危機的状況になったとはいえ、結果的にモチベーションが上がりました」
川田「3人でやっていこうと決めて初めて作ったのが、解散を踏みとどまらせてくれたきっかけのタイアップ曲であり今回のEPの表題曲の“一生仲仔”です。コンポーザーがふたりいる状態からわたしひとりになるので、ちゃんと自分ひとりで曲を作ってみよう!と、機械音痴やけど初めてDAWを使ってアレンジまで考えました。あと歌詞に自分のことを書くようになりました」
――ソングライティングに自己開示が必要だと思われたのはなぜでしょう?
川田「4人の頃は、たみが歌う曲もあって、当時のわたしは〈なんやこれ?〉と思われるような頓珍漢な歌詞を書くことが多く、それが自分の持ち味だと思ってました。
でもいざ3人で続ける選択をしたら〈わたしってフロントマンなんやな。バンドの顔なんやな〉という自覚が芽生えてきて。それなら自分の内面を見せた曲を歌っていたほうが、バンドとしても魅力的なんじゃないかなと思ったんです。最初は照れくさかったけど、必要なことなんやろなって」
あんどりゅー「SNSの投稿の内容もめっちゃ変わったよね」
川田「長文をつぶやいてみたりしてる(笑)。自己開示をしたり、デモのアレンジも考えるようになったことで、より三四少女の顔になれている実感はあります」
――さっちゅーさん、あんどりゅーさんは、3人体制になっての心境の変化はありましたか?
あんどりゅー「さすがに100倍ドラム上手くならなあかんなと思いました。メジャーで活動していくうえでもそうやし、羽撫子も自分を奮い立たせて頑張ってるし、しっかり支えていくためには技術を上げなあかんなと。家でもずっとドラムのことを考えて細かいトレーニングをすることも増えました」
さっちゅー「あとは物理的に意思疎通を取る人数が減ったので、細かいことも含めて何かを決めるのが全部早いんです。4人での活動も楽しかったけど、ようやくメンバー全員が同じ方向を向けたなと思うし、前よりもフットワークが軽くなったぶん前向きに頑張れています」
