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テクいひねくれバンドサウンドとダンスミュージックの融合

――EPに収録されている楽曲や、2025年にデジタルシングルでリリースされた楽曲は、“一生仲仔”の後に完成させたものということでしょうか?

川田「そうです。“占いたいっ!”や“さよならトランジスタ”とかは、たみが抜けることが正式に決まる前にふわっと作ってあったもので、“青い春”はこのEPの中ではいちばん最近作りました」

あんどりゅー「前は弾き語りで歌詞もない状態のデモが届くことが多かったけど、3人になってから羽撫子が打ち込みソフトを使って簡単なベースやドラム、ギター、歌を入れてくれるようになったんです。デモからどんなことをやりたいのかイメージが伝わりやすくなったので、そのぶんアレンジがしやすくなりました。羽撫子はダンスビートを入れることが多いので、リズムのキメのところをガラッと変えたりして、曲にバリエーションを足してますね」

――川田さんはなぜダンスビートを取り入れがちなのでしょうか。

川田「完全にKANA-BOONの影響です。バンドを好きになったきっかけの存在やし、単純に今も四つ打ちが好きやし、ちょうど世の中でもあの頃の感じが再熱しているから、〈流行ってるなら心置きなくできるやん!〉ってすぐリフレインさせちゃいます(笑)」

あんどりゅー「でも俺がひねくれてるから、単純なダンスビートだけの曲は絶対作らないんです(笑)。ドラム単体で聴いていても楽しいけど曲にもしっかり合っていて、口ずさみたくなるドラムフレーズを作りたいんですよね。

リードギターのリズムと、ボーカルのメロのリズムに合わせてドラムを考えることが多いので、合わすところと外すところを使い分けながら複雑に作っていきつつ、ダンスビートも取り入れてわかりやすく聴きやすい、面白いものに仕上げるようにしてます」

――“占いたいっ!”のドラムはまさにそういう仕上がりではないでしょうか。

あんどりゅー「あれは打ち込みで考えたから生まれたフレーズやなと思います。自分で叩いて考えていたら絶対にあんなふうにはならない。だから最初リハに入ったとき、マジで全然叩けへんくて血の気引きました(笑)。ドラムが難しいということはベースも難しくなるので、さっちゅーには音の切り方とかまで細かく依頼しましたね」

川田「聴きやすいのに実は難しいことをやっている曲になりました。もともとのデモは中田ヤスタカさんの作るきゃりーぱみゅぱみゅさんの曲をイメージして作ってたんですけど、あんどりゅーのおかげでテクい感じのバンドサウンドになったし、でもEDMっぽい感じも残ってて、新しい雰囲気の曲になったなと思っています」

――今作で最もストレートなダンスロックと言えば“激烈!シビカラ殺法”だと思います。さっちゅーさんのスラップがフィーチャーされる箇所もありますし、ディスコの要素も盛り込まれていて。

さっちゅー「ベースが目立つ曲は今まで特になかったし、弾くのも難しいので、ライブでやるとまだ緊張します(笑)。でもこのぐらいやりがいがある曲のほうが、集中力が切れなくて助かります。穏やかな曲だと弾いているときについ別のこととか考えちゃうこともあるけど、この曲はベースを弾くのに精一杯になるのでやりがいを感じるし、あとお客さんの反応がめっちゃいいです。だからめっちゃ楽しいです」

川田「ベースが難しい曲をもっと作らなあかん(笑)。“激烈!シビカラ殺法”は面白パンクを作ってみてもいいんちゃうかなというところから作り始めました。ほんまはもっとストレートな全部四つ打ちのダンスロックで、サビでハーフテンポになるのはあんどりゅーのアイデアです」

あんどりゅー「サビのギターのリズムを活かすためにも、ハーフにするべきだと思ったんです。最初デモが送られてきて聴いたときに〈これは絶対にダンスビートの曲だ!〉と完全にイメージが浮かんで。ノリやすいビートで楽しい雰囲気にしつつも、ラウドロックをルーツに持っていることを活かしてハーフでバスドラムを強調してみたら、それが完璧にマッチしました。あとビブラスラップも絶対入れたかったんですよね」

川田「こんな曲のわりには、流行りとか気にしてなさそうな感じがいいなと思っています。この逆張り感がうちらっぽいというか」