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圧倒的な死

――そんなアルバムのタイトル曲は、オルタナな香りやグルーヴへのこだわりを感じさせるものになりました。

玲央「僕が作ったデモに、葉月が考えたサビのメロディーとアレンジが加わって、現在の形になりました。最初の段階から〈lynch.のど真ん中〉を意識していて、実際にヘヴィでキャッチーなメロディー、そして自身のバックボーンといえるオルタナの要素を詰め込んだ楽曲に仕上がったと思います」

――また、“ICE”はキャッチーかつサウンドのカロリーがとても高い一曲です。これをリード・ソングに選んだ理由は?

葉月「ものすごくlynch.らしい曲なので、本当は“ICE”以外の曲をリードにしたかったくらい。でも、あまりにも説得力が強かったのでこの曲に決めました」

玲央「僕は当初から推していたんです。lynch.の得意分野といえる攻撃性と荘厳な美しさが両立していますよね」

――“PARASITIC E.D.E.N”は、インダストリアルなサウンドと、語りのようなヴォーカル・パートという掛け合わせの妙で聴かせる曲です。悠介さんの作曲ですね。

悠介「悠介曲らしくないNo. 1なやつです(笑)。『ULTIMA』(2020年)のデモ出しのときに一度持っていったらしいのですが、自分ではまったく覚えていない……。今回また引っ張り出してきて、アレンジを変えてようやく世に出すことができました。〈名古屋系〉の香りをちらほら散りばめたりもしているので、そういったところを感じてもらえればより楽しめる楽曲だと思います」

――さらに“PRISM RAY”も悠介さんの作曲。アンサンブルは激しくも、どこか幻影的な雰囲気を纏った曲です。

悠介「とにかくゴリゴリにシンセを入れた疾走感のある曲にしたい、というアイデアから制作を始めた楽曲です。デモ自体は2023年の『REBORN』制作時からあって、特に間奏はライヴの絵が浮かぶような構成を意識しました。ウワモノをシンセに任せてあるので、ギターはあえて全編ユニゾンのシンプルなアレンジにしています」

葉月「この曲の歌詞は、宇宙と精神が繋がるようなイメージ。むしろそれらはひとつのものなのではないか?みたいなテーマで書きました」

――“GERO”や“A.C.H.E.”といった激しめの楽曲はライヴ映えしそうです。

玲央「“GERO”をライヴで初披露した際、お客さんは聴いたことがなかったにも関わらず、盛り上がりは期待以上でした。今後のライヴにおける定番曲になりそうな予感。ちなみにBメロでのギター隊のパートでは、気が触れた印象を出すために何パターンか録ったテイクをすべて使っています」

悠介「コーラス録りを自宅でした際、あえてお酒を体に入れてから挑みました。“GERO”なだけに(笑)」

葉月「“A.C.H.E.”は、こういうギターから始まるファスト・パンクなナンバーがずっと欲しかったので、ここに来てようやく登場という感じです」

玲央「サビで解放感の広がる楽曲は過去にもありましたが、ここまで全体を通して陽気でカラッとしている曲はなかったように思います。こちらもライヴで本領発揮する曲なんじゃないかな」

――そしてlynch.の王道を感じさせるメロディーで畳み掛けるのが“SILENCE”です。

玲央「全編をサビと受け取れるほどのキャッチーなメロのオンパレードで、lynch.においてここまで振り切った曲は珍しいと思います。僕のなかでの〈葉月らしい曲〉です」

――多彩なアルバムを締め括るのは“ZEALOT”。終曲で余韻を残すというよりは、哀愁感のあるガレージ・サウンドで激しく散っていく印象ですね。

葉月「最後に希望や光を残すよりも、圧倒的な死を見せつけて終わりたかった。なぜか?と訊かれてもわかりませんが、そうしたかったんです」

悠介「さまざまなリファレンスやアイデアを詰め込んだ一曲になりました。去年のツアー〈THE AVOIDED SHADOWS〉直後に作りはじめたから、ライヴ熱が反映されていると思います。最終的なデモはガーデンシアター公演を終えてから仕上げたので、あの日のみなさんから得たエネルギーがたくさん詰まっている曲になりましたね」

――最後に7月12日からスタートする全国ツアー〈IGNITE THE CLIMAX〉に向けた意気込みをお願いします。

玲央「このような〈衝動の塊〉ともいえる作品を引っ提げて全国ツアーを回ることは、バンドにとって、ひいてはシーンにとっても大変意味のあることだと考えています。22年目に差し掛かろうとするバンドが休むことなく前面に打ち出した〈攻めの姿勢〉を、ぜひ体感しに来ていただきたい。各地のライヴ会場でお待ちしています」

lynch.の作品を一部紹介。
左から、2014年作『GALLOWS』、2016年作『AVANTGARDE』、2018年作『XⅢ』、2020年作『ULTIMA』、2023年作『REBORN』、2024年のEP『FIERCE-EP』、2025年の20周年記念アルバム『GREEDY DEAD SOULS / UNDERNEATH THE SKIN』『THE AVOIDED SUN / SHADOWS』(すべてキング)

 


EVENT INFORMATION
『CLIMAX』発売記念サイン会

2026年7月5日(日)東京・タワーレコード新宿店
2026年7月13日(月)大阪・タワーレコード梅田NU茶屋町店
2026年9月13日(日)愛知・タワーレコード名古屋パルコ店
https://www.kingrecords.co.jp/cs/t/t20052/