祝祭の一年間を暴れ回った5人組が〈極致〉のまま提示する削ぎ落された新モード――らしさを刻印した『CLIMAX』には、破滅的なまでの衝動が鳴っている!!!!!

 結成20周年の2025年は、さまざまな企画のライヴを一年間を通して行なってきたlynch.。アニヴァーサリー・イヤーを経て、ニュー・モードで迎えた21年目に相応しい作品が、7月1日にリリースされる通算12枚目のアルバム『CLIMAX』だ。凶暴なヘヴィネスと、それと相反するしなやかな美しさを持つメロディーというバンド特有の音楽性にはますます磨きをかけつつ、今作ではlynch.史上もっともコンパクトでソリッドな曲を並べている。まさにCLIMAX――最高潮の瞬間を凝縮したようなアルバムだ。ライヴの熱量も迸る今作の背景、制作中に考えていたことなどについて、葉月(ヴォーカル)、玲央(ギター)、悠介(ギター)の3人に話を訊いた。

lynch. 『CLIMAX』 キング(2026)

 

初期衝動を形にした光景

――バンドの結成20周年を祝うプロジェクト〈lynch. 20th ANNIVERSARY PROJECT〉が2025年12月28日の東京ガーデンシアターでのライヴ〈ALL THIS WE’LL GIVE YOU〉で最終章を迎えました。一年をかけてバンドの歴史を駆け抜けるライヴを重ね、さらにリテイク・アルバムの『GREEDY DEAD SOULS / UNDERNEATH THE SKIN』と『THE AVOIDED SUN / SHADOWS』もリリースしましたね。

悠介「自分がいま何をしているのかがわからなくなるぐらい、怒涛で濃密すぎた一年でしたね。トラブルもなく無事に東京ガーデンシアター公演まで駆け抜けられたのは、いま思うと奇跡だったのかもしれません」

葉月「振り返る歴史がたくさんある、というのは本当に幸せなことだなと改めて感じました。印象に残ったのは、ガーデンシアターで最後に“TIAMAT”を演奏した際、花吹雪越しに見た観客席の光景ですね。凄かった」

――インディーズ時代の作品をリテイクしたことでの再発見や、その後の制作や考え方への影響はありましたか。

玲央「特にインディーズ時代は、ライヴで自分の目の前に広がる初期衝動を形にしたような光景を意識して曲作りをしていたことを思い出しました。そのスタンスは今回の新作にも大きく反映されていると思います」

――ニュー・アルバム『CLIMAX』を一聴してまず感じたのは、タイトル通りに〈最高潮〉の瞬間を凝縮したような10曲が並んだ、頭から終わりまでフルスロットルで走り抜けていくような作品だということでした。

葉月「〈コンパクトなサイズ感〉がアルバムの方向性そのものといっても過言ではありません。音楽性より先にサイズ感の話を提案したくらい。ショート動画が全盛の時代、従来のサイズのアルバムが少し重く感じられてしまうようになった気がします。これくらいのサイズのほうがあっさり聴けるし、ツアーで過去の曲も多めに演奏することができるなと」

玲央「特段コンセプトのようなものを打ち出してはいなかったんですが、昨年のリテイク・アルバムのツアー中に、次のアルバムは誰が聴いても〈これがlynch.だよね〉と思う作品にしたい、という話をメンバー間ではしていました。制作の初期から各々のアプローチが近かったし、メンバー全員がアルバムの核として同じところを見ていたのかもしれません」