
bloodthirsty butchersが1996年に4thアルバム『kocorono』をリリースしてから今年で30年。これを記念して、本作のアナログレコードがちょうど30周年を迎えた10月23日に発売された。轟音のギターノイズと繊細なアルペジオ、焦燥感が滲むバンドアンサンブル、気怠くも真に迫る吉村秀樹のボーカルなど、剥き出しのオルタナティブロックを閉じ込めた歴史的名盤は、30年が経った今現在も多くのミュージシャンたちに衝撃を与え続けている。
そんな『kocorono』について、bloodthirsty butchersからの影響も公言している清水正太郎(kurayamisaka/せだい)に特別寄稿してもらった。 *Mikiki編集部
今もあの日撃ち抜かれた穴を埋めようとしている
『kocorono』は私の青春である。
bloodthirsty butchersの4thアルバム『kocorono』を言葉で表すのは難しい。文字に書き起こした瞬間にこんなことが言いたかったのではないと、すぐに消してしまう。
初めてブッチャーズを聴いた時は正直に言うと、なんだこの歌は……と思ったことを覚えている。『kocorono』は名盤と言われてるし良いんだろうけど難しそうだなと。
その後すぐに、〈RISING SUN ROCK FESTIVAL 1999〉の動画に辿り着く。「この曲を演りに北海道に帰って来ました」というMCから“7月/July”の演奏が始まる。それから脳が焼かれてしまった。心臓を撃ち抜かれて、穴が空いてしまった。
『kocorono』で綴られる吉村氏の詩は、あまりに孤独で不器用で、あまりに赤裸々である。
上京したばかりの当時の私がこのアルバムに感じた、何かが去った跡に熱が残るような感覚、深い哀しみの渦のような気持ちを、どうしても上手く言い表すことができない。何故、こんなにも難しいのか、それはこのアルバムが私の青春だったからだと思う。そして同じように誰かの青春であるとも。
『kocorono』が年代を超えて、いまだに多くの音楽ファンを、ギタリストを魅了している理由はきっと数多く、それこそこのアルバムを聴いた人の数だけあると思うが、とにかく音像が唯一無二である。
アルバム自体は実験的な音像も多く、しかしそのすべてが完全にあるべき位置に配置されているように思える時もある。以前は全く気づいていなかった音が鳴っていたり、いやでもやっぱりめちゃくちゃじゃんとも思ったり。聴く時によってその感じ方が違う。
時代を経て解釈や評価が多面的になっても、ブッチャーズだけにしか出せない音が収録されているという点は、どの時代も変わらない共通認識だと思う。それらはギターという楽器を続ければ続けるほど、目の前に突きつけられてしまう。何故か歌詞だけでなくギターの音自体が哀しさを纏っている。
それはきっと、このアルバムのレコーディングにそれだけの情熱が注がれていたからだと思う。どうすれば理想の音に近づけるか、もしかしたら聴く人は気づかないかもしれない、自分が納得できるかどうかの試行錯誤の末に録音された情熱の産物なのだと。
そして私はペダルやアンプ、セッティングの1mmの違いといった、自分しか気づかないような部分に情熱を費やしている時、それを仲間と共有できた時、もしかしたらブッチャーズや先人達のバンドもこうだったのかもしれないと思いを馳せることで、同じ時代にはいなくてもその流れの中にいるような錯覚を覚えて、それが何よりも心地よく思う。
そうしてあの日撃ち抜かれた穴を埋めようとしている。
RELEASE INFORMATION
■bloodthirsty butchers
リリース日:2026年10月23日(金)
品番:KIJS-90045~6
価格:6,600円(税込)
仕様:180g 重量盤 LP 2枚組、完全限定プレス
TRACKLIST
DISC 1
Side A
1. 2月/February
2. 3月/March
3. 4月/April
4. 5月/May
5. 6月/June
Side B
1. 7月/July
2. 8月/August
DISC 2
Side A
1. 9月/September
2. 10月/October
3. 11月/November
4. 12月/December
Side B
5. 1月/January
■購入特典
コースター
※特典は満了次第終了となりますので予めご了承ください
※複数枚を1回でご注文された場合、商品がすべて揃うまでに特典の保管期間(発売日もしくはキャンペーン開始日より1ヶ月)を経過すると、自動的に特典付与対象外となります
※タワーレコード店舗とオンラインでは特典の運用状況が異なる場合がございます。店舗でのご購入で特典ご希望のお客様は、各店舗に運用状況をご確認ください
■kurayamisaka
リリース日:2026年11月3日(火・祝)
品番:TMN-014
価格:2,200円(税込)
仕様:7inchシングル
TRACKLIST
Side A
1. summer film
Side B
1. 浜辺に散る
詳細ページ:https://tower.jp/article/feature_item/2026/07/17/0707
LIVE INFORMATION
■kurayamisaka
kurayamisaka tte, doko? #9「夏の終わりを迎えに⾏くツアー」
2026年12月26日(土)香港 PORTAL
開場/開演:19:00/20:00(HKT)
ticket info:https://www.tickets.neon-lit.com/kurayamisaka2026
Organizer:NEON LIT business@neon-lit.com
2027年1月9日(土)韓国 KT&G SangSang Madang ※SOLD OUT
開場/開演:18:00/18:30(KST)
出演:kurayamisaka/parannoul
ticket info:https://www.highjinkx.com/aosaka
2027年1月17日(日)台湾 THE WALL
coming soon
2027年1月24日(土)神奈川 KT Zepp Yokohama
開場/開演:16:30/17:30
チケット料金:スタンディング 5,000円/2F指定席 6,000円
問い合わせ先:SMASH 03-3444-6751
2027年1月30日(土)石川 金沢AZ
開場/開演:17:30/18:00
チケット料金:オールスタンディング 5,000円
問い合わせ先:FOB⾦沢 076-232-2424
2027年2月13日(土)広島 CAVE-BE ※SOLD OUT
開場/開演:17:30/18:00
チケット料金:オールスタンディング 5,000円
問い合わせ先:YUMEBANCHI(広島) 082-249-3571
2027年2月14日(日)香川 高松DIME
開場/開演:17:00/17:30
チケット料金:オールスタンディング 5,000円
問い合わせ:DUKE⾼松 087-822-2520
2027年2月20日(土)福岡 BEAT STATION ※SOLD OUT
開場/開演:17:30/18:00
料金:オールスタンディング 5,000円
問い合わせ:キョードー⻄⽇本 0570-09-2424
■チケット情報
e+(イープラス):https://eplus.jp/kurayamisaka9/
ticket info (overseas):https://eplus.tickets/kurayamisaka9/
ボロフェスタ2026〜25th anniversary〜
2026年10月31日(土)、11月1日(日)、2日(月)、3日(火・祝)京都 KBSホール/CLUB METRO
※kurayamisakaの出演日は11月1日
公式サイト:https://borofesta.jp/
バズリズム LIVE 2026
2026年11月6日(金)、7日(土)、8日(日)神奈川 横浜アリーナ
※kurayamisakaの出演日は11月8日
公式サイト:https://buzzrhythm.live/
COUNTDOWN JAPAN 26/27
2026年12月26日(土)、27日(日)、29日(火)、30日(水)、31日(木)千葉 幕張メッセ国際展示場1~11ホール・イベントホール
※kurayamisakaの出演日は12月31日
公式サイト:https://countdownjapan.jp
PROFILE: kurayamisaka
2022年に東京大井町で結成された5人組ロックバンド、2000年代オルタナとJ-POPが無邪気に混ざり合ったかのような楽曲にファンが急増中。2022年に発表されたオリジナル曲“farewell”は耳の早いリスナーから話題を集めEP『kimi wo omotte iru』は国内のみならず海外でも高く評価される。主催の公演は全て即日ソールドアウトを記録し続け、英メディアNMEの〈The NME 100: Essential Emerging Artists For 2025〉に日本人アーティストとして唯一選出され、ネクストブレイク最有力バンドへ。
2025年夏、〈FUJI ROCK FESTIVAL ’25〉をはじめ、数々の夏フェスに出演。同年9月10日には満を持して1stフルアルバムをリリース。そして9月から11月にかけて開催した全国6カ所を巡る初のワンマンツアーも無事完遂した。2026年、Spotifyが年間を通して新進アーティストをサポートするプログラム〈RADAR: Early Noise 2026〉に選出され、〈第18回CDショップ大賞2026〉では<青>大賞を受賞、日本テレビ「バズリズム02」の新春恒例企画〈今年コレがバズるぞ!2026〉にて1位に選ばれる。2026年12月からは、バンド初のアジアツアーを予定している。

