シアトルを発火点に、80年代末から90年代半ばにかけて音楽シーンを席巻したグランジ。カート・コバーンの死からちょうど20年を経た2014年は、そのリヴァイヴァル気運が過去最高に盛り上がり、ひずんだ轟音ギターを核としたダイナミックなロック・サウンドが至るところで鳴り響いていた。数年前からその回帰ムードを煽ってきたオハイオのクラウド・ナッシングスとNYのシンバルズ・イート・ギターズが、それぞれ作品を出したことがやはりデカかったが、UKからダイナソー・パイル・アップ、カナダからホワイト・ラングといった新勢力が台頭したことも特筆すべき。また、L7を心の師と仰ぐ……かどうかは知らないが、エックス・ヘックスやブリーディング・レインボウ、スクリーミン・フィメールズを筆頭に、男勝りなガールズ・バンドが数多く登場したのも、何ともグランジ的じゃないか。
そんな若き暴れん坊どもの活躍に刺激されたか、ピクシーズやJ・マスキス、ヴァセリンズにフー・ファイターズなど諸先輩方も続々と良作をリリース。年明け早々にスリーター・キニーの復帰作が控えていることもあり、この動きはまだまだ続いていきそうだ。
▼関連作品
左から、クラウド・ナッシングス『Here And Nowhere Else』(Carpark)、エックス・ヘックス『Rips』(Merge)、ピクシーズ『Indie Cindy』(Pixiesmusic/PIAS)
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