クラウド・ナッシングス(Cloud Nothings)『The Shadow I Remember』スティーヴ・アルビニとの9年ぶりタッグで激情を迸らせたインディー・パンク

2021.03.04

整理された音像が爽やかなメロディーを際立たせるという収穫を否定しているわけではないと思うが、リモートで作った前作『The Black Hole Understands』からの反動を最大の振り幅で音にするには、9年ぶりにスティーヴ・アルビニと組む必要があったのだろう。オルタナ通過後のインディー・パンクという軸は前作もブレてはいなかったが、スタジオで鳴らす轟音や絶叫、さらにはメタリックなリフと共に本来の激情が復活。そのうえで前作の延長線上で新境地もアピールしている点に聴きどころがある。その最たるものが、OHMMEのメイシー・スチュワート(ヴォーカル)を迎えてサビに4つ打ちのリズムというキャッチーなアレンジを採り入れた“Nothing Without You”。これまでにないポップな打ち出しにバンドの意欲が窺える。

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